第十二話 本能には勝てないその四
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もね」
だが。彼は侮っていた。プリシラの見事なまでの計算を。彼女のサーブは一直線に壁に向かっていた。
壁に直撃して跳ね返る。何とそれはそのままジョルジュに向かっていた。
「なっ!?」
「まさか・・・・・・読まれていた!?」
マルティは咄嗟に悟った。自分の作戦がプリシラに見抜かれていたことに。
「いかんジョルジュ、避けろ!」
咄嗟に叫ぶ。
「左だ!」
「わ、わかった!」
「読み通りね」
左に跳ぶジョルジュ。しかしプリシラはそこまでも読んでいたのであった。
何と跳ね返ったボールがカーブする。そしてジョルジュの右手の時計を直撃したのであった。
「くっ、しまった!」
「まさか・・・・・・ジョルジュの隠し撮りの秘密を!?」
「見たところ手の動きが一番おかしかったから」
プリシラはジョルジュが右手を押さえて蹲っているのを見て呟いていた。
「そこを狙ったのだけれど。正解だったようね」
「凄いわね」
ジュリアは彼女の呟きを聞いて感嘆の声を漏らす。
「そこまで読んでいたなんて」
「偶然よ」
彼女はそれには謙遜してこう述べる。
「ここまで上手くいくとは思わなかったわ」
「本当!?」
「本当よ」
「そうは思えないけれどね」
ジュリアは勘でこう述べたのである。とにかく信じられないまでに見事に防いだのであった。
「さて、まだあるかしら」
ダイアナが男組の方を見て言う。
「まだあったら驚きだけれど」
「いや、今回はもうないみたいよ」
レミが述べた。
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