第十二話 本能には勝てないその二
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そして体育の時間。遂に決戦の時が来た。
女子は半ズボン姿、男子はジャージである。色気がまるでない男とはまるで違い女組の方はスラリとした素足が眩しく半ズボンのほのかで健康的な色気が覆っていた。よくもまあここまで差をつけたものだと思う。
「さて、と」
その中でもとりわけ健康美を誇るレミが男組の方を見ていた。
「何してくるかしら」
「更衣室は大丈夫だった?」
「とりあえずはね。真っ先に調べたわ」
ダイアナの言葉に答えた。
「トイレは?」
「そこもね」
何か変質者への対策めいている。だが彼女達は真剣である。
「それじゃあここで勝負をかけるつもりね」
「いい、問題はあの三人よ」
エイミーが男組の中の中心事物を指差す。そこにいるのはマルティ、フック、ジョルジュの三人であった。
「司令塔はマルティね」
「ええ、それは間違いないわ」
蝉玉が言う。
「けれど実行部隊は」
「あの二人ね」
「フックとジョルジュ」
「フックはあたしがやるわ」
ダイアナが出て来た。出ているところは出ていて脚はスラリとしている。バンドで鍛えられているらしい。
「あいつはフットワークがいいからね」
「サポートは私がやるわ」
「レミ」
「貴女でも一人じゃ難しいかも知れないからね。念の為に」
「有り難う」
「で、もう一人のジョルジュは」」
「私に任せて」
出て来たのはプリシラであった。
「いいわね」
「一人で大丈夫?」
「いけるわ」
プリシラは仲間達にクールに述べる。
「実行部隊の二人を潰せば司令塔は黙る」
「多分作戦は一段。ならそれを潰せば」
「それで終りね。いいわね、皆」
「ええ」
「やるわよ」
女組もまた一致団結した。そして三人が動くのを待ちながらバレーボールに入るのであった。
男達は女達の隙を窺っている。まずはフックが動いた。
「よし」
「やるのか!?」
「ああ」
「オペレーション=ハリケーン」
マルティが呟いた。フックの目が光る。
「発動」
「おう」
フックの身体が流れる様に動く。その瞬間身体が三つになった。そして。
ボールを逸らす。ボールは転々と女組のバレーボールのコートの方に行く。
「おい、何やってるんだよ」
「悪い悪い」
タムタムに謝る。だがタムタムは目で語っていた。
(行け、健闘を祈る)
(任せろ)
フックは目でそれを挨拶する。そしてフックはバレーボールのコートに向かった。
「来たわね」
「あのフックがボールを逸らすなんてね。絶対におかしいわ」
「しかもボール投げたの野球部の正捕手のタムタムよ。怪しいわね」
タムタムは只のキャッチャーではない。そのリードとキャッチング、そして強肩と送球の良さ、何よりも頭脳プレイで知られている。そうした
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