十四話
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ンに邪魔をしおって、と言わんばかりの視線を向けられながら俺達は別荘の中へと入った。そして、いつもと変わらない浜辺にて俺とチャチャゼロは対峙した。既に赤原礼装も身に纏っているし、後は武器を投影するだけだ。
――投影、
俺はいつも通り、夫婦剣干将・莫耶を投影しようとして……
「チョット待テ」
出鼻をチャチャゼロに挫かれた。
「珍しいな。一体どうした?」
いつもなら投影を終える前に斬りかかってきそうなものなのに。なんかいつもと違う……明日菜がいるからか? 嫌、そんなことを気にするような奴じゃないだろう。
「オ前、槍ヲ使エ」
「槍?」
一体全体何なのだろうか? 確かに、使えないことも無いが干将・莫耶に比べれば全然使い慣れていないし、使ったのだってネギの試験が久々だ。
「イイカラ使エ」
有無を言わさぬ圧力に、俺は渋々槍の投影準備に入る。投影するのはやはりあの槍。因果の逆転の力を持つ必殺の槍!
――投影、開始!
やはり、剣を投影するのとはわけが違う負担がある。干将・莫耶では全く感じなかったそれをずっしりとその身に感じながら、俺はゲイ・ボルクを顕現させた。
「あの槍……」
明日菜がその槍を見るのは二度目だった。初めて見たのはあの大橋。後からカモに聞いたが、一種の暴走状態の様なものに陥った私を止める時に使っていた。だが、普段健二が使っていたのは双剣だったはずだ。確かに、ネギの試験の時は長い棍を槍の様に振っていたが、どうにも明日菜には違和感が拭えなかった。
しかし、明日菜も……そして健二も知らない。確かに、健二が使い慣れた武器は干将・莫耶かもしれないが、それが彼にとって最適の武器とはかぎらないことを。
「行くぞ!」
投影したのはゲイ・ボルクなのだから、当然振う槍技はクー・フーリンのそれを模倣したものになる。最も、俺の肉体レベルでは再現は不可能なのであくまで参考レベルにとどめてあるのだが。
「…………」
ただ、無言のチャチャゼロが怖い。いつもと俺の間合いが違うから、戦いもいつもと異なると言うのは分かるが、それでも違和感を感じる。何故、攻めてこないんだ?
(ヤッパリダナ。アイツガ振ウベキナノハ、アノ双剣ジャネェ。アイツガ振ウベキ武器、ソレハ槍ダ!)
「はっ!」
クー・フーリンの技術を元に放つ突き。俺は槍の基本にして最大の武器でチャチャゼロを穿たんとする。だが、元々小さいチャチャゼロは狙いにくいのだ。今も突きだした槍を、ヒラリとかわされ……
「まずっ!?」
今まで避けに徹していたチャチャゼロが一転、槍を大きく弾いてきた。引き戻し始めという絶妙なタイミングでそれをやられ、おれは無様にも態勢を崩す。それを、見逃してくれるチャチ
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