十四話
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姿が残されることとなった。
「うう、恥ずかしかったぁ」
所変わってとあるファミリーレストラン。俺たちは少し早目の昼御飯をとることにした。明日菜もようやく落ち着いてきたようだ。
「まさか彼女に間違われるだなんて……」
ぐでーっと机に突っ伏す明日菜はとても微笑ましいものがある。そこで、俺は一つの嫌がらせ染みたことを思いついた。
「そんなにいやだったか?」
「え?」
「俺の彼女と思われるの」
「…………へ?」
「そうか、そんなに嫌だったか……」
如何にも落ち込んでますと言ったふうにうつむいてみる。さて、どんな反応をしめすかな? っと、一応念のためにと。
「べ、べべべ別に嫌じゃない! っていうか驚いたと言うか……そう! 驚いたのよ! いきなりあんなこと言われて! だ、だから別に健二が嫌とかそういんじゃなくて!」
「じゃあ、俺にもチャンスはあるのか?」
「へ、へえええええええええええええ!?」
……耳いてぇ。念のため結界はっといてよかった。明石教授とドネットとやらが使ってた第三者にはただの雑談をしているように聞こえると言うアレだ。これ、叫んでも大丈夫なように一応防音効果もあるんだよな。
「ははは、凄い声だな。とりあえず落ち着けよ。お、丁度飯も来たみたいだぞ」
「ううう……健二、アンタからかったわね?」
料理を運んできた店員のおかげでどつかれることは無かった。店員GJだ。だが、恨めしい顔で明日菜がこっちを見てくる。
「さて、速く食べないと冷めるぞ」
「ちょっと! ごまかさないでよ!」
「あー、パスタ美味しいな〜」
今は冗談と思われても構わないさ。今は、な。
昼食を終え、俺たちは街をブラブラと歩いているのだが……
(これはやっちまったか?)
明日菜が昼食時からずーっと機嫌悪そうな顔をしているのだ。さっきの悪戯は、ちょっとやりすぎたのかもしれない。かと言って、どうやって機嫌をとればいいのか、青二才の俺には到底思いつかないのだが……
「あ、明日菜さーん」
「……何」
「怒ってる、よな?」
「……別に」
(うん、怒ってる)
(ったく、健二の奴あんな悪戯して! ネギよりよっぽどたちが悪い……脱がされるよりはマシ……じゃない! 女の子の心をもて遊ぶようなことするのがいけないのよ! ちょっと期待……って何言ってるのよ私は! ううう、顔が熱い……これも全部、健二のせいよ!)
午前は二人並んで歩いていたというのに、今は俺が三歩後ろを歩く始末。この三歩が凄く大きく感じるよ。誰か、俺に救いを! と現実逃避をかましていたわけだが、そこで、俺の携帯がブブブと振動した。
「……でたら?」
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