十三話
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………………」
「こんなところか」
エヴァンジェリンの落胆を含んだ声。今のネギが仰向けでた倒れている状況になるまで僅か三分。もう少しねばるとエヴァンジェリンは思っていたのだろう。だが、これは当然のことだ。突然スピードが上がった俺の突きにネギは反応できなかった。それを察した俺は早々に風楯を砕き、ネギに突きの嵐を見舞った。最初は急所だけは何とか防いでいたようだが、身体強化が切れてからは突かれるがままだったのだ。
「ぅ……ぁ」
一分にも満たない間だが気を失っていたネギが苦しそうな声を漏らす。何とか起き上がろうとしているネギを、エヴァンジェリンがやれやれといった様子で見下ろしている。
「坊や、試験はここまでだ。出直してこい」
「ま……だ、です。条、け……んは」
「言いたいことは分かるが、立てんようではくたばったと一緒だ」
「まって、くだ……い。た……て、ます」
仰向けからうつ伏せへと転じ、何とか気力を振り絞って断とうとしているが……立てない。このままじゃ、落ちてしまう、か。ヘルマンの真似ごとで、発破をかけるか。
「ネギ君」
「……?」
此方にゆっくりと顔を向けるネギ。さぁ、これで振い立て。
「俺は、もうあの修学旅行みたいな目に合いたくないし、合わせたくない。だから麻帆良に帰ってきてから時間の限り修行をした。君はどうだ?」
「………………」
「君が今日まで何をしてたのかは知らないが、今君は俺に一度も触れられず、ボロボロになって地に伏せている。これが、あの夜に対する俺と君の思いの差だ」
「……!?」
さぁ、主人公。ここで立ち上がらなきゃ男じゃないぜ?
僕、は……守りたい、そう思って力を得るためにエヴァンジェリンさんに弟子入りを申し込んだ。そして、古菲さんにも。早朝、放課後……僕だって可能な限り修行に時間を割いたつもりだ。なのに、なのに……
(思いの、差……)
あの夜、そうあの夜は……のどかさん長さん達が石に、……石?
(あ、ああ……)
脳内をよぎるあの日の記憶。おじさん達やスタンさんが一夜にして石と化した。もう嫌だ、あんなのは……もう嫌なんだ!
「あ、あああああぁあああぁああああ!!」
絶対に、もうあんな事は起こさせない!
(立った、か)
良かった、本当に良かった。だが、まだ立っただけだ。もう一つ……もう一つ、動かすための原動力がいる。
「ネギ君、たとえ立っても君は無力だ」
「う、ああああぁぁああぁああ!!」
硬く拳を握りしめ、こちらへと突っ込んでくるネギ。どうやら、無意識の内に身体強化も使っているようだ。いいぞ、そのままこい!
「あああぁああ!!」
「な
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