暁 〜小説投稿サイト〜
チートだと思ったら・・・・・・
十二話
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言う過激な方法で。

「…………」

しばらく様子を観察していたが、身代わりがあーだ、暴走がどーだとわめいていたので思い出した。桜咲が烏族の掟がどーたらと言う奴だ。何やら桜咲が嬉し涙っぽいのを流してるし、もう問題も無いのだろう。

「ところで宮内」

「ん?」

良かった良かったと一人呟いていたらエヴァンジェリンが話しかけてきた。はて、何かあるのだろうか?

「お前の身代わりは大丈夫なのか?」

「……身代わり?」

頭の中でその単語を三回転ぐらいさせてから情報を整理。俺捕まってた→天ヶ崎の発言から身代わりはあったはず→誰が用意した?→そりゃ勿論俺を捕えた……あ!

「ど、どうした?」

汗が滝のように溢れだす。敵だった天ヶ崎がいつまでも俺の身代わりを維持してるとも思えない。ましてや、今は関西呪術協会にて拘束されてるはずだ。……これって、やばいんじゃ。

「明日菜! 俺は一足先に戻るぞ!」

「え? ちょっと健二! どうしたの!?」

悪いが今回ばかりは明日菜にかまってる暇は無い。友人達が何とか周りをごまかしてくれていることに期待して。





「おっ、これもうまそうだな」

「こっちなんてどうだ?」

「いやいや、美砂の好み的にはこれが……」

「お、おい……俺にも予算と言うものがあってだな」

「「「お前に拒否権は無い」」」

修学旅行最終日。俺は明日菜やネギ君達とナギ・スプリングフィールドが使っていたと言う家には行かず――と言うか俺は男子中等部だから行けないのだが――教師たちを見事ごまかしきった友人たちの財布と化していた。しかもこいつら、何故か俺の財布の中身を一円単位で把握しているらしく、本当にギリのギリまで使うつもりでいやがる。

「次行くぞ!」

「時間は少ない!」

「俺と美砂の輝かしい未来へ向けて!」

ああ、俺の財布よ……君を守れない俺を許してくれ。……とりあえず友人その三、わけのわからんことを大声で叫ぶな、と八つ当たりとして、後頭部にチョップを叩きこんでおいた。

結局、麻帆良に到着した時点で俺の財布の中には18円しか残っていなかった。何とも、懐に痛い修学旅行になったものである。
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