十二話
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とは言ったものの無意識で可能、というわけではないのだ。それなりの集中力がいる。だが、痛みに耐える事に慣れていない俺はこの痛みのせいでそれができないのだ。
「やっべぇ、かも」
押し潰されるような感覚だった世界からの修正よりも、内から弾ける様なこの暴走の方が個人的につらい。だが、耐えて耐えて耐え抜いて、暴走を抑えつけねばならない。俺が根負けすれば、待っているのは内側から無数の剣に貫かれた俺だけだ。そんな事態が突然訪れて、冷静に対処できるとも思えない。エヴァンジェリンなら可能性はあるが、彼女は治癒魔法は苦手だからさしたる意味は無い。結局、自分で何とかするしかないのだ。
「やって、やるよ!」
そう意気込んだ俺だったが、突如現れた光にその身を包みこまれた。こんな場所に一体なんだと思ったが、引いていく体の痛みに答えに思い至った。
「なるほど、近衛さんのアーティファクトか」
痛みが引き、集中できるようになったのなら問題はない。俺はすぐさま暴走をおさめることにした。
「ケケケケケ」
目が覚めたら、目前に殺戮人形がいた。貴方なら、こんな時どうする?
「トリアエズ」
「とりあえず?」
思わず返してしまったが、何故に俺の心を読んでいる。
「敵二捕マル何テ無様ナ事ヲシタ奴ヲ叩キ斬ル」
「待ったは……」
「アルワケネェダロ!」
愛用の大ぶりナイフを手に襲いかかってくるチャチャゼロ。何で寝起きで死闘を演じなければならんのだ……そう思いながらも、応戦せねばそのまま逝ってしまうだけなので仕方なく剣を投影せなばならなかった。
「何だ宮内、起きたのか」
悪いと思いながらもぶち破った障子の先にいたのはのんびりと茶をしばくエヴァンジェリンとその世話をする茶々丸。そして、何やら纏めた荷物を方に下げる桜咲だった。
「おい! あの人形をどうにかしろ!」
飛びだした俺とは違いゆっくーり、ゆっくーりと部屋から出てくる所が凄く不気味かつ恐ろしい。できれば、今すぐ止めてほしい。
「弟子がふがいなかったことにアイツも思うところがあったんだろう。甘んじて受けるんだな」
助けてくれないと思ったよ。ああ、チャチャゼロが部屋から出てきてしまった。しょうがない……認めたくないけど、しょうがないんだ……
――戦いの歌!
せめて四肢が残りますように。そう祈って、俺は全力でチャチャゼロを迎え撃った。
……一体、どういう状況だ? 何を思ったのかチャチャゼロは俺を気絶させるだけで終わらせたのだが、目を覚まして見れば桜咲とネギが漫才染みたことをしていた。えーっと、何だっけこれ? 記憶を掘り起こして原作を思い出そうとしている内に、明日菜と近衛が加わった。飛び蹴りと張り手と
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