十二話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
スクナへと射出する。今度は腕を飛ばすには至らなかったが、スクナを大きくよろめかせた。そこに躍りかかる剣達。小さけれどその数は圧倒的。スクナは剣に押し切られ、仰向けに転倒した。
「面白いものを見せてもらった。これだけでも、来たかいがあったか」
もう少し見ていたい気もするが、それでは出番がとられかねん。そう思い至り、中断していた詠唱を再開する。宮内よ、最強の魔法使いの力その目に焼き付けるがいい!
――とこしえのやみ! えいえんのひょうが!!
未だ立ち上がらぬスクナを絶対零度の氷が包み込む。抵抗しているようだが、無駄なこと!
――全ての命ある者に等しき死を 其は安らぎ也 ”おわるせかい”
これにて殲滅完了。寝起きで私に勝とうなど、百年速いわ! おっと、年数で言えば其方が上だったか。
……こんなもの使われたら一巻の終わり。そんな思いを抱いてしまうような超ド級の魔法を披露してくれたエヴァンジェリンだが……正直寒い。そもそもこの魔法は絶対零度に限りなく近い極低温の空間を発生させる魔法なのだ。巧みに制御されているとはいえ、周囲への若干の影響は避けられない。そういう意味でも、ここでスクナを倒したのは都合が良かったかもしれない。
「ごくろうだったな。少し見直したぞ」
「俺は闇の福音の本当の凄さを見せてもらったよ。それより、戻るぞ。明日菜達が心配だ」
そうだろうそうだろう、とか、心配性だな貴様、とか言ってるが全部無視。固有結界を展開した時から感じている外から押し潰されるような圧迫感からも速く解放されたいし、言葉にした通り明日菜達が心配だ。展開には時間がかかるが解除は一瞬、と言うのが今は本当にありがたい。
「固有結界、解除」
空が、大地が、そして剣達が、無差別にその姿を霞ませ、消えていく。一呼吸もかからないうちに、無限の剣製は消滅した。
「エヴァンジェリンさん!」
「健二!」
スクナを倒し帰還した俺たちを明日菜とネギが迎えてくれる。どうやら桜咲と近衛は離れた場所に降りていたらしい。こちらに向かってきているのが遠目に見える。
「あの化け物は!?」
「この私があの程度にやられるものか」
坊やにも私の活躍を見せてやりたかった、だの何だのエヴァンジェリンが声高らかに言ってるが、俺はセンリガンを使用し周囲を索敵する。
「大丈夫みたいだな」
「どうしたのよ?」
大きく安堵の息をついたのが聞こえていたらしい。明日菜がこちらに駆け寄ってくる。俺はそれに笑顔でこたえようとするが……
「どけ!」
次の瞬間には全てが消し飛んでいた。原作を事細かく覚えていればまだ良かったかもしれない。だが、全てを覚えていることなど不可能だ。故に、フェイトが最後
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ