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チートだと思ったら・・・・・・
十二話
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炎が俺を中心に円を描く様に顕現する。その炎は一瞬にして広がり、俺とエヴァンジェリン……そしてスクナを固有結界、”無限の剣製”へと取り込んだ。

「これ……が」

「フハハ、何だこれは! 長きを生きる私が見たことも無い構成……そも、根本から違うのか? 何にしても、実に興味深い」

魔法に最も近いとされる禁忌。魔術の到達点足る秘奥……固有結界。エミヤシロウが持ちえた究極にして唯一。これまで、俺が得たこの力を理解するために自分の内に潜ってこの世界を見たことはあった。しかし、実際に世界図をめくり返し顕現させると、これほどの圧があるのか。情けないことだが、展開者である俺が一番圧倒されていた。

「グオオォオォオオオ!!」

「はっ! 無粋な鬼だ。おい、これほどのものだ。足止めくらいはできるんだろうな?」

「任せろ。俺達以外いないここでなら、何も憂うことはない!」

手元に一本の西洋剣を手繰り寄せ、魔力を充填する。それに気付いたスクナが四本ある腕の一本を振り下ろそうとするが……遅い!

硬い稲光(カラドボルグ)!」

エクスカリバーの原型とも言われるこの剣は、三つの丘の頂を切り落としたと言う伝説が残っている。故に、その真名解放による能力はそれに由来するものとなる。

「いっけぇええええ!!」

白き稲妻の斬撃が、一瞬にしてスクナへと到達する。だが、この剣の力は驚異的な射程だけではない。最強の聖剣たるエクスカリバーの原型が、ただ敵に届いただけで終わる筈がない! 剣に込める魔力を一気に強める。それに応える様にして、白き稲妻はその威力を増し、スクナの腕を斬り飛ばした。

「やるじゃないか! そのまま、奴の足止めをしていろ!」

エヴァンジェリンが思わず聞き惚れてしまうような透き通る声で詠唱を開始する。その姿には、危機感などまるでない。全開である今ならスクナ如き脅威にならないと思っているのか……嫌、先の一撃を見て俺が任せる足ると判断してくれたんだ。

「柄じゃないんだろうが……俺は錬鉄の英雄にして弓の騎士! ”エミヤ”の力を得し者! 今この一時は闇の福音の騎士になり、彼女を守護する矢と成ろう!」

手に黒弓と偽・螺旋剣を手繰り寄せ、無限の剣を従えて飛騨の大鬼神へと立ち向かう。恐れることは無い。ここは俺の世界……ここでは俺が、最強だ!



「ククク、壮観だな」

目の前で繰り広げられるスクナと宮内の戦い。数多の降り注ぐ剣がスクナの動きを阻害し、そして今、弓から放たれた螺旋の剣がスクナの腕を一本吹き飛ばした。これでスクナに残るのは左側の腕二本のみ。バランスも悪くなり、戦闘力はそれなりに下がるだろう。
だが、私の詠唱が完了するまでが自分の仕事だと言わんばかりに宮内は攻撃の手を緩めない。再び弓に剣を番え、
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