第十話 推理漫画その四
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「気にしていないさ」
「やれやれ。とんでもない風紀委員ね」
「風紀委員も真面目な奴だけじゃないよ」
アンに対して言う。
「僕みたいなのもいるさ」
「まあギルバートみたいなのばかりじゃね。嫌になるわね」
「同感」
「じゃあ耳栓を用意しておいて」
「怒られる時用ね」
「そういうこと。じゃあ」
あっさりした様子で教室を後にしていく。
「二人迎えに行くからね」
「ええ」
「またね」
こうしてローリーは教室を出て行った。それでまたそこにいるのはアンとルビー、そしてウェンディとジュリアだけになったのであった。
「何だかんだで迎えに行ったわね」
最初に気付いたのはウェンディであった。
「いいところあるじゃない」
「そういえばそうね」
それにアンも頷く。
「無責任なようでいてね」
「それでねジュリア」
ルビーがジュリアにまた声をかけてきた。
「貴女はそれでいい?」
「ええ、是非ともね」
右目でウィンクして答える。
「悪役はミンチン先生がいいわ」
「ああ、あの糞婆」
「とっとと死ねばいいのにね」
学園きっての嫌われ者である。同じく嫌われ者では隣のクラスのラビニアがいる。このクラスとは激しい対立関係にあることでも知られている。
「じゃあいつを悪役にして」
「詐欺師がいいわね」
「結婚詐欺師じゃ駄目かしら」
ウェンディが問う。
「駄目駄目、それは」
「あんな婆誰が結婚するのよ」
アンとルビーが次々に言った。普段は大人しめのルビーもこの先生に対しては全然違っていた。かなし悪し様に言う。
「じゃあ止めね」
「保険金詐欺師はどうかしら」
アンが物騒なことを言う。
「それでその助手がラビニアでね」
「あっ、いいわねそれ」
ジュリアがそれに笑顔で頷いた。
「あいつに相応しいわ」
「顔はこんなのでね」
「あはは、そっくり」
アンが描いたその顔を見て腹を抱えて笑う。かなり酷く描いている。
「あっ、何か乗ってきたわ」
「そうね」
アンとルビーの調子が出て来た。
「警部役でギルバート」
「そうそう、それで少年探偵にマルコで」
「おっとりした助手が彰子ちゃんでどう?」
「彰子ちゃんねえ」
ジュリアは彼女の名を聞いて苦笑いを浮かべる。
「彼女絶対に探偵は無理よ」
「まあそうだけれどね」
「そのギャップがいいんじゃないかしら」
「そこはあんた達に任せるよ」
「で、警部と並ぶお笑いにあの自称名探偵二人」
「あはは、それピッタリ」
「面白い話になりそうね」
ウェンディもこの話に目を細めていた。
「キャラがね。いいのがいるから」
「圧巻は糞婆とあのラビニア」
「あいつ等には恨みがあるからね。どんどん描いてやるわよ」
「そのうちギッタンギッタンに
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