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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
運命の夜、閉幕
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イバー。
 相変わらずその攻撃が効く様子は見られないが、直接打ち合うリスクを減らせただけでも大きいのだ。
 
 普通であれば実力差の天秤は狂戦士の方に傾くだろう。
 だがそれも、セイバー側に地の利が加わっただけでその天秤は拮抗し揺れている。

「あの調子じゃセイバーは負けないだろうけど…………」
「障害物のせいでフェンサーの魔術も撃ちにくくなったな。アーチャーの援護も意味ねぇし、この調子だと夜明けまでこのままだ」

 結局は時間稼ぎに過ぎない。
 まともにセイバーやフェンサーの一撃が入ったとして、あのバーサーカーにまともにダメージを入れられるのか。

 両者拮抗のまま、戦闘を続ける二人。
 そのうちに、フェンサーがセイバーに耳打ちをした後、こちらへと一時離脱する。

「ねえ、アーチャーのマスター。貴方のサーヴァントに、一撃でもバーサーカーの防御を打ち抜けるような攻撃が出来るか、聞いてもらえる?」
「え、ちょっと待って………………うん、いける? ……わかった。一度でも完全な隙を作ってくれれば、可能だって」
「そう、それなら────」

 言って、フェンサーは戦場へと舞い戻る。
 直接の打ち合いへは参加せず、隙を窺うようにセイバーに追従する。

「セイバー……」

 見守るしか出来ないシロウも、歯痒い思いをしているだろう。
 凛は訪れるであろう一度の機会に、指示を間違わないように気を張り続ける。

 そのまま数分が経ち、そのチャンスはやってきた。

 今まで一度も体勢を崩さなかったバーサーカーの巨体がぐらりと揺れる。

 苦し紛れに薙ぎ払われる狂風の大剣。
 余裕を持って後ろに大きく跳ぶことで、セイバーがそれを躱した後に──────





Freisetzung(概念解放)────ungultig(防護貫衝)





 何か、異様な魔力流を発生させ、フェンサーが魔術を発動させる。

durchstechen(撃ち徹せ)!」

 先刻放ったモノと同じ、砲雷の一撃をバーサーカーへと撃ち放つ。

 少々の傷を負おうが、防ぐ必要もないと判断した狂戦士はしかし。



 その判断速度を越える肉体の反射によって、身を捻るようにして衝撃をずらした。



 戦士の勘によって、本能的にその危険を察知したのはさすがだ。
 だが避け切ることは出来ず、さらにフェンサーが放った魔術は当たりさえすればそれでよく。

 後は赤き弓騎がトドメの一撃を────

「セイバー──────っ!!!」
「え、ちょ、待っ──!?」

 凛の制止など間に合わない。
 アーチャーによる追撃が行われるであろうその瞬間に、あろうことか士郎はその攻撃の中心へと駆
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