第八話 お金がないのはその六
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「そんなのデートじゃないわよ」
「けれど蝉玉ちゃんこの前のスターリング君とのデートは」
彰子がここで彼女に突っ込みを入れる。
「遊園地で楽しく遊んでたって楽しそうに言ってたんじゃなかったっけ」
「あのね彰子ちゃん」
今度は彰子に顔を向けた。
「遊園地はデートの定番よ」
「うん」
「普通古本屋とか行く!?行かないでしょ」
「そうなの」
「そうなのって」
彰子はこういうことに関してはクラスの誰よりも無知である。鉄壁どころかダイアモンドの様な、いやティアマト級巨大戦艦の装甲に匹敵する防御力を誇る鈍さとまで言われている。
「ああ、もういいわ」
彼女にはもう言わないことにした。
「そのうちわかるかも知れないから」
「そうなの」
「そのうちね、そのうち」
「まあ彰子ちゃんは置いておいて」
エイミーが交代する形でペリーヌに問う。
「結局お店回ってもの買っただけ?」
「ええ」
「ふうん」
手に右手の指を当てて考えながらそれを聞く。
「別にいいんじゃないの?」
「そうなの」
「私はそう思うわ。蝉玉とは別にね」
彰子はとりあえず置いておいた。
「それでもいいんじゃないかしら。楽しかったんでしょ」
「とても楽しかったわ」
「そう、それならそれでいいわ」
エイミーはにこりと笑ってペリーヌにそう言った。
「デートって一つじゃないし」
「色々あるの」
「遊園地行くのもデートだし古本屋とか行くのもデートだし」
「じゃあまた言ってもいいわね」
「ええ。楽しんでね」
「ちょっと、それは邪道よ」
蝉玉がここでクレームをつけてきた。
「デートはやっぱりね。遊園地とか砂浜とか遊歩道とか」
必死に力説する。
「そういうところでムードよくね。それこそが」
「じゃあゲームセンターとか野球場とかは駄目なの」
「それは邪道、いい?デートってのはね」
何も知らない彰子に対して力説する。
「きちんと身なりを整えて男の子とね」
「まあ蝉玉の言うことも一理あるけれどね」
横で言う蝉玉のことを半分放置しながらペリーヌにまた話す。
「うちのお姉ちゃん達は三人共そっちの玄人だから。よかったら何でも聞いて」
「何でもね」
「私の家かペリーヌの家でね」
「お茶を飲みながらね」
「いいわね。それも緑茶ね」
「日本のお茶?」
「最近凝ってるのよ、お茶に」
エイミーは笑って述べる。
「だからね。それで」
「いいわね。青茶なんかも」
こちらはスリランカ名産である。スリランカはお茶の産地で有名な国の一つである。
「あっ、それもね」
エイミーはそれを聞いてさらに目を細める。
「飲みながら色々とお姉ちゃん達の話を聞いてよ」
「そうさせてもらうわ」
「とにかくねえ」
その横では相変
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