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八条学園騒動記
第八話 お金がないのはその六
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わらず蝉玉があまりにも王道でしかないデートのことについて彰子に講義を行っている。
「恋愛はビシッと決めるのよ」
「ビシッと」
「そうよ、いいわね」
「そういうものなの」
 ペリーヌはその横でエイミーに尋ねた。
「人それぞれね」
「そうなの」
「蝉玉みたいに力瘤入れてやるのもいいけれどね。マイペースもいいわよ」
「それじゃあ私は」
「うん、自分のペースでね」
「そうね、そうさせてもらうわ」
「とにかくね。男ってのはね」
 蝉玉はまだ言っている。
「鈍感だし。とにかく押していかないと」
 だが彰子には実感がない。彼女は言っても詮無いことを言い続けているだけであった。しかし本人はそれには全く気付いてはいなかった。


お金がないのは   完


                 2006・10・4


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