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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
手にする資格 ─イレギュラー─
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に掛かれて光栄です、レディ・アインツベルン。黒守黎慈と申します。御身の尊き血に比べれば、歴史の浅い末端の魔術師ですが」
「これはご丁寧に。クロガミ……聞いたことはあるわ。先代で一族の血は途絶えたと聞いていたけど」
「ええ、自分がその最後の血族ですよ」

 明確に格式上で自身より優れた家系であるため、自然と丁寧な語り口になる。

 これは両親と曽祖父さんの教育の賜物で、目上の人間に対して相手を敬う姿勢は身体に染み付いたものである。

 そんな穏やかなやり取りもすぐに終わる。
 元より白の少女は、話をするためなどに来たのではないのだから。

「そう。なら、今夜でその血は途絶えるわ。

 ────じゃあ、殺すね。やっちゃえ、バーサーカー」

 それは天使の虐殺命令だった。

 数メートルはあるだろう巨体が、坂の上からここまで数十メートルはあろう距離を一足飛びで落下してくる────!!



「──シロウ、下がって……!」
「──レイジ、下がって……!」



 全く同時に前へと躍り出る二人のサーヴァント。

 その行動を見越していたかのように、流星の如く飛来する幾条もの光が、落下してくるバーサーカーをつるべ打ちにする……!

 正確無比とはこのことか。
 落下してその位置を定まらせないバーサーカーを射抜く銀光は、一本たりとて急所以外の場所を射抜くことはない。
 矢という範囲を越えて弾丸と化したそれは、一軒や二軒程度の家屋なら蜂の巣にするほどの威力を秘めている。

 それを八連────全てをその身に受け、而してバーサーカーは微塵もその速度を落とさない。

 息を飲む凛。
 それはそうだろう。己がサーヴァントの攻撃が一切の効果をもたないのだから。

 その後に打ち合う剣と剣。
 全ての矢を無効化しながら落下してきたバーサーカーと、それを迎え撃つ二体のサーヴァントが激突する……!



 火花が散る。
 金属同士が摩擦し合う熱火と、纏う魔力の炸光が夜の闇を照らし出す。

 闇に走る二対の銀光。互いに不可視の剣を持って黒き巨人と切り結ぶ。
 バーサーカーの斧剣に圧されながらも、その剣戟は緩まることがない。
 暴風の塊を叩きつけられるに等しい一撃を受けながらも、セイバーは受け流し、弾き飛ばし、真正面から切り崩していく。

 その二人の隙間を縫うようにフェンサーが斬撃を繰り出す。
 セイバーと違って直接斬り合うことは避け、その代わりにセイバーとの攻防で生まれた隙に剣を叩き込む。

 一瞬、攻め手が止んだ瞬間に再び流れ落ちる銀光。
 バーサーカーの眉間、こめかみ、首の根を撃ち抜く。

 戦車砲に匹敵するその矢を受けて、無事に済むはずはない。
 必殺の勝機にセイバー
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