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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
手にする資格 ─イレギュラー─
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た。
巻きつけた包帯越しに令呪の赤い光が灯っているのが分かる。
おお、と我がことのように安堵した表情を見せる。
コイツは、俺たちが敵同士である自覚はあるんだろうか。
会話はそこそこに、次は凛のほうへと顔を向ける。
「凛…………」
「黎慈。これで、貴方と私は────」
「ああ……お揃いの令呪だね、りんりん」
「………………」
あ、なんか怒ってるっぽい。なんでだ?
右手同士でペアシールみたいだと思ったんだが、なんか間違っただろうか。
「ふん、その分だと大丈夫そうね」
「ちょっと痛いけどな。まあ予想以上に遅くなったし、今日は帰ろうや」
「そうだな」
三者三様の装いで、俺たちは帰途についた。
「いい? サービスは今日いっぱいで終了、明日から私達は敵同士なんだからね」
「わかってるよ、遠坂。何回目だよ、その話」
「アルツハイマーになるのは早いぞー、りん……ぶっ!」
言い終わらないうちに頭をはたかれる。
くそう、ネタを最期まで言わせないとは芸人殺しだ。
いやそれより、マスターが攻撃を受けたんだから守れよサーヴァント。
(え? 今のはボケとツッコミだから邪魔しちゃダメでしょ?)
ジーザス。この世にボケとツッコミを理解するサーヴァントが存在したのか。
だが万が一ツッコミの振りをして魔術叩き込まれてたらどうしてくれるのか。
(魔力の流れでわかるもの)
(さようでございますか)
もうフェンサーには何も期待しないことにする。
「教会まで連れて行ったのは私だから、帰りまでは面倒見てあげ────」
「どうした、凛?」
「いえ。悪いけどここからは各自で帰って。あなたたちにかまけてて忘れてたけど、私だって暇じゃないの。
せっかく新都にいるんだから、捜し物の一つでもしてから帰るわ」
なるほど、他のマスターの捜索か。
舞台が冬木市といえど、たった七人のマスターを探し出すには十分広い。
マスター同士、サーヴァント同士、互いの存在を感知できるとはいえ、人を一人見つけるというのは容易ではない。
サーヴァントは霊体化していると感知しにくくなるし、マスターも魔術師であるなら住処の隠匿や己が身の隠形には手を尽くしているだろう。
「なら俺もここで別れるかな。ウチのサーヴァントにはまだ地理を把握させてないし、今日のことで少し思いついたこともあるし」
言って俺も来た道を引き返すように進路を変える。
だが──────俺と凛はありえないモノを見たかのように、その動きを停止した。
「ねえ、お話は終わり?」
その歌声のような可憐な声は、紛れもなく少女
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