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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
手にする資格 ─イレギュラー─
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り欲しい。

 例外だからといって何もかも例外で済ませてしまっては、他の正規参加者に申し訳ないだろう。
 令呪に関しては持っているほうが便利ではあるし、戦いを有利に運べるものなのでこちらとしても願ったり叶ったりだ。

 そもそも敵が増えることを喜ぶやつはいないので、俺が参加することに対して他の参加者に引け目を感じる必要はないのだが、そこはケジメだ。

 二つ返事で承諾した俺に不思議な視線を向ける凛。
 何か言いたいことがあるならいつものように言えばいいのに、こんな時に限って何を遠慮しているのか。

「もう、勝手にしなさいよ! どうなっても知らないんだから!!」

 俺の鼻先に指を突きつけながら宣言し、凛は大股で教会を出て行った。

 一体何が言いたかったのだろう。
 普段は要領よく言ってくれるくせに、肝心な時に要領を得ない。

「それでは、奥までついてきたまえ。こんな場所で霊媒手術を行うわけにもいくまい」
「ああ、わかった」

 促されるまま、俺は言峰綺礼の後についていった。










「なあ、遠坂。まだ待つのか? かれこれ一時間は経ってるけど…………」
「衛宮くんは別に帰ってもいいのよ? 私はアイツが敵として私たちの前に立つのかどうか、この目で見届けなきゃならないの」

 教会前の広場で佇む、士郎、凛、セイバー。
 セイバーは元より士郎の意志に従うのみなので問題ないが、他の二人はどうなのか。
 士郎もさすがにセイバーをずっと待たせるのは悪いと思っているが、彼女の言うとおり黒守黎慈を放っていけない気持ちもある。
 
 令呪の移植手術を行っていると聞き及んでいるが、それがどれほどのものであるか。
 現実にある手術のように大掛かりなものではないだろう。けれども、楽観的な気分で待っていていいものでもないような気がする。

 どれくらいの時間が掛かるのかも分からないため、ただ待っているのもどうかと思っているのだが…………

「シロウ、出てきたようです」
「あっ」

 凛が出てきてから一時間強。
 右腕に包帯を巻きつけた少年と、それに付き従う白銀のサーヴァントが教会から出てきた。










「いや悲鳴の一つも上げんとは、大したものだ」

 手術終了後、令呪を移植した右腕に思いっきり包帯を巻きつけながら言峰神父はそう言った。

「あんた…………少し痛む程度って…………言ったよな」

 実際、痛いなんてもんじゃなかった。

 刻まれる痛みに慣れているのと、痛覚をコントロールすることで何とか耐えたが、あれは常人だと間違いなくショック死するレベル。

 令呪は魔術回路と一体化しているものなので、まず神経節の上から霊的なメス
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