暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
手にする資格 ─イレギュラー─
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う可能性を簡単に否定された割に、彼は元からそうなるだろうと思っていたかのようだ。
「まず、召喚場所となった公園だが。あそこは前回の聖杯戦争の決着の地でな。そういう意味では、聖杯の影響を受けやすい場所といえる。
そして今回の聖杯戦争におかしな点が多いとするならば、それは前回の聖杯戦争決着時の時点で既に不具合があったのだよ」
「決着時の不具合……?」
「聖杯は現れた。しかしそれを手にした者は資格を持たなかった。触れた者がどのような願いを持っていたかは知らぬが、その結果があの大火災であり、聖杯はその中身を一部残したまま再び眠りについた」
「通常、聖杯戦争は40年〜60年周期で行われる。けれど、今回は10年程で始まってしまっているの。
その原因もきっと前回の聖杯戦争にあるのよ。使われなかった魔力があったから、次に溜まるまでが早かったんでしょうね」
前回の
起動時
(
聖杯戦争
)
に正常な終了手順を取らなかったせいで、次の
起動時
(
聖杯戦争
)
に
エラー
(
不具合
)
が起きている、ということか。
呼び出すサーヴァントの数が前後しているのかもしれないし、聖杯に余分な魔力があったせいで余分に呼び出したことも考えられる。
マスターの選定基準にも狂いが生じているのかもしれないし、令呪の割り振りがうまくいっていないことだってありえるかもしれない。
「それじゃあ、俺がマスターだって証明はできないし、逆に俺がマスターでも問題ないんじゃないのか」
「そうね。今さらなかったことになんて出来ないし、私にとっては倒すべき敵が一人増えただけの話よ」
「君とサーヴァントにその意志があるのなら、聖杯戦争への参加を認めよう。しかし、一つ受けてもらいたいことがある」
「なんだ?」
「なに、霊媒手術で擬似的に聖痕を刻み、そこに令呪を移植してみるだけの話だ」
「はぁ!? ちょっと綺礼────」
なんだそりゃ、願ってもないことじゃないか。
というより、令呪ってそんな簡単に扱えるものなのか。
「何も悪い話ではあるまい。聖痕を刻むのは少し痛むだろうが、移植そのものは簡単だ。そして令呪は、マスターが持たなければ効力を発揮しない。
令呪が機能すればマスターの証となり、仮に機能せずともサーヴァントが居るのならば、マスターとして振舞うことに異議は唱えまい」
「それはそうだけど…………」
「令呪はサーヴァントを律する他に、強力な魔術を行使するための刻印でもある。彼が令呪無しで聖杯戦争に参加するのは勝手だが、その時点で相応の不利を──────」
「いいよ、神父さん。是非やってくれよ。フェンサーも異論ないよな」
「ええ。どちらにしても、貴方がマスターであることに変わりはないもの」
飛び入り参加を認められても、正式な参加資格というものはやは
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