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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
手にする資格 ─イレギュラー─
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違いなく、あれは何かを決意し覚悟した人間の目だ。

「ああ。事情はイヤっていうほど理解したよ。聖杯戦争についても、マスターについても」
「シロウ──」
「……セイバー」

 身をずい、と乗り出してセイバーが士郎の前に立つ。
 当然だろう。サーヴァントである彼女からすれば、士郎がどういう決断をしたかは他人事ではないのだから。

 だが心配することはないだろう。

 仮にも魔術師であるのなら、その判断を間違うことはないはずだ。

「マスターとして、聖杯戦争を戦うことにしたよ。半人前な男で悪いんだけど、俺がマスターって事で納得してくれるか、セイバー」
「納得するも何もありません。貴方は初めから私のマスターです。この身は、貴方の剣となると誓ったではないですか」

 なんか割り込めない空気です。
 あーあ、握手なんかしちゃってるよ、この人ら。

 こっちが気を使うまでもなく、彼らには彼らの信頼関係が築かれているのだろう。

 戦うことになれば敵同士、過度の感情移入は禁物だ。

「士郎。今度は俺たちが中に入るが、おまえらはどうする。用は済んだんだから、先に帰っててもいいが」
「え……そうだな……黎慈が出てくるのを待つよ。ここまで一緒に来て一人で帰るわけにもいかないだろ。あ、遠坂は中で待ってるぞ」

 慌てて握手を解きながら取り繕う。
 我に返って恥ずかしがることなら初めからしなければいいものを。

 溜息をつきながら背を向ける。

「まあ邪魔はしないから、好きなだけ親交を温めてくれ。次はハグか?」
「う、うるさいっ! さっさと行けよ!」

 照れて顔を真っ赤にしている士郎を後ろに、フェンサーを引き連れて教会へと向かう。
 セイバーと違ってフェンサーを連れて行くのは、八騎目のサーヴァントの存在証明のためだ。

 聖杯戦争に関わることだけでなく、あの神父さんに会うことに少し緊張しながら、俺は教会の扉を開いた。










「ようこそ、黒守の。こうして会うのは何年ぶりだったかな」
「土地契約の更新以来だから、3年ぶりくらいじゃないですか」

 俺は、神父さん──言峰綺礼に出会った瞬間に、僅かに鳥肌が立った。
 どんな人物ともそれなりのコミュニケーションを取る自信がある俺だが、この人にだけは苦手意識がある。
 それは彼を嫌っているだとか、人格に問題があるだとか、生理的に受け付けないなんて空想じみた話でもない。

 人にはそもそも備わっている(さが)というモノがあると思うが、俺はこの人のそういう性質を苦手としている。
 長く話しているとなにか懺悔でもしているような心持ちにさせられ、時には思い出したくもない過去を思い出させられたりする。

「君には、聖杯戦
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