第七話 音楽は一つにあらずその三
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「ただ、髪の毛が薄かったり額が広かったり」
「じゃあ安心よ」
ダイアナはそれを聞いて言った。クールに。
「髪の毛も結局遺伝だから」
「それはわかっている」
「まあ聞きなさいって。結局誰も禿はいないんでしょ?」
「そこまではいない」
「それだったら大丈夫よ。禿げないから」
「そうか」
「それに禿げだって治すことは出来るじゃない。そんなにぎゃんすか言わなくてもいいでしょ」
「ううん」
「落ち着きなさいって。世の中もっと変な病気で悩んでる人がいるんだから」
「変な病気って?」
「色々あるじゃない」
ダイアナはルビーに答えて言う。
「インキンとか水虫とかね」
「水虫も?」
なおこうした病気に関してもいい薬がある。
「他にも脚が匂ったりとかさ。そっちの方が大変なんじゃないかしら」
「そうよね」
「そっちを気にしたらどうかしら」
「そうね。ところで」
「何?」
「ダイアナってよくそんなこと知ってるわね」
「そうね」
「そういえばそうだな」
それにウェンディとルチアも気付いた。
「ましてや女の子なのに」
「そういえばダイアナ」
ウェンディが気付いた。
「貴女いつもブーツ履いてるわよね」
「まあね」
ダイアナはそれに応える。
「ヘビメタだから」
「そうよね、ヘビメタよね」
「何が言いたいのよ」
いい加減周りの目にイライラしてきた。
「だからブーツだから」
「危ないんじゃないのか?」
「何かとね」
「まさかあたしが水虫だって言いたいの!?」
ここでやっと気付いた。
「詳しいよね」
「言っておくけど違うわよ」
それは否定する。
「あたしは水虫じゃないから」
「本当かよ」
しかしルチアはそれを信じようとはしない。
「今だってブーツだしよ」
黒い皮のズボンとブーツである。黒づくめの格好をしている。それがスタイルのよさと合わさって実に似合う。黒のレザーは中々着こなしが難しいのである。
「若しかしたら」
「じゃあ見せてあげるわよ」
ダイアナはたまりかねて言い返した。
「あたしが水虫かどうかね」
そしてブーツを脱ぎはじめる。それから靴下を脱ぐ。靴下は白であった。
「靴下は白なのね」
「ついでに言うと今日の下着も白よ」
ウェンディに応える。
「そうなの」
「服が黒系統の時はね、そうしてるのよ」
「合わせてるっていうのじゃないわよね」
「コントラストってやつ。黒の下から白っていうのが見栄えがいいでしょ」
「そうね、確かに」
ルビーはそれに頷く。
「もっとも女の子にしか見せられないけれど」
「後の体育の時間で見せてもらおうかしら」
「うふふ」
「そうなのか、女の子ってそんなところまで気を使うのか」
「ルチア、貴方はどうなの?」
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