03.王の能力
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「攻めてる訳じゃないんだ、人の中身と見た目はちょっと違うよね....."シュガー"」
少しの沈黙が起きる。
「やっぱり見られてたのか?軽蔑したか?」
「いや、何か事情があるんでしょ?八尋のことだもん、何か理由があるんでしょ?」
「うるせぇよ!!」
八尋が急に怒鳴る。
「まだ続けんのか?友達ごっこを!お前が俺をシュガーと呼んだ時点で全部終わりだろうが!悩んでるふりして善人ぶるな!お前みたいなのが俺を無害と決めつけるから俺はそういう奴で居続けなきゃならん!」
八尋が集の胸ぐらを掴む。
「俺でない誰かを演じ続けなくちゃならん!!全部....!お前のせいだ!!」
集は八尋の手を弾く。
「八尋おおぉぉっ」
集が八尋の胸に手を入れ込む。
ぐわぁぁあっ、うめき声を上げながら崩れ落ちる。
八尋から出てきたヴォイドはハサミ.......それもかなりの大きさだ。
「これが八尋の」
「決まりね」
いのりが八尋に銃を向ける。
「やめろ、いのり!!」
俺の右腕がうずき光を放つ。
その光から現れたのは、マントのヴォイド。
「どうして、彼は誘惑に負けた人クリアしておかないと驚異になるってガイが」
「おまえらに何がわかるんだよ!!八尋の何がわかるんだよ!!確かにこれまで俺たちが見てきた八尋が嘘だとしてもそれが全部嘘だったて思いたくないから、それを下ろして、いのり!!」
「カイ.....」
いのりは銃を下ろす。
「ありがとう」
俺のヴォイドは再び右腕へと帰って行った。
このあと、目を覚ました八尋と俺たちは約束をした。八尋は葬儀社のことを、俺たちがシュガーのことを誰にも話さないと約束した。
これで通じ合えた.....と思っていた。次の日までは.....
珍しく今日は集といのりと同じ電車で通学となった。
「ねぇ、シュウ、カイ、そばにいてもいい?知りたいのもっとシュウのことも、カイのこともみんなのことも」
「好きにすれば」
「別にいいぜ」
その時、電車が急ブレーキをかける。
「な、なんだ!?」
止まったのはいつもは止まることのない駅。そこには、白服の集団が。
電車の扉が開き、何でと思った次の瞬間、俺と集は誰かに押され、電車の外に出される。
電車の中で俺らを押した人物は......八尋だった。
「すまないな、シュウ、カイ」
電車はそのまま俺たちを置いて発車して行く。
「どういうこと、八尋?どういうこと!!」
「なんだよ、これ」
「桜満集君と茨壊君、あなた方を逮捕します」
紫ぽい色の髪をして右目が擬眼になっている男が俺たちにそう告げる。
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