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Fate/stay night -the last fencer-
第一部
出会いし運命の少女
マスター、サーヴァント、そして聖杯戦争
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凛との交渉の余地が生まれたのに、俺のサーヴァントらしい彼女に武器を持たせたままではダメだろう。
「なあ銀髪っ子。おまえも霊体になれるのか?」
「ええ、出来るわよ」
「なら霊体になっていてくれないか。凛が話を聞いてくれる気になったみたいだし、このままだと埒が明かないだろ」
「そうねぇ……」
少し思案する素振りを見せ、ふと蒼の少女を見やる。
「ねぇ。あなたも一時休戦ってことでいいの?」
「なに?」
「お互いマスターが知識不足で困っているみたいだし、ここはそこの魔術師に話を聞かせてもらったほういいでしょう?」
「セイバー、俺からも頼む。ここは退いてくれないか」
「……あなた方がどういうつもりかは知りませんが、私のマスターに危害を加えない間は剣を納めましょう」
セイバーと呼ばれた少女は、武装していた何がしかの武器を納める。
それを見てこちらのサーヴァントも、持っていた何かを消したようだ。
とりあえずは、状況が前に進みつつあることに安堵した。
「…………いや、早く霊体化しろよ」
ようやく話が出来そうな空気なのに、霊体化してくれない彼女に目を向ける。
「え、だってセイバーも武器は納めても、実体化したままじゃない。私もマスターの万事に備えて、一応傍に控えてるわ」
「……とのことなんだが、それでもいいか?」
凛、士郎、セイバーの順に、窺うように目を向ける。
セイバーは元より反論できる立場でもないからか、無言で士郎の意に従う姿勢を見せている。
「いいわよ、別に。セイバーもそうみたいだし、アーチャーだって別に霊体化しただけで傍に控えてるもの」
「ああ、俺も構わない。というか、俺も今の状況が良く解ってな……ちょ、遠坂どこ行くんだ!?」
「こんなところで話しててもしょうがないでしょ。無知なあなたたちに現状を叩き込んであげるから、早く中に入りましょ」
すぐそこにある武家屋敷の門へと歩を進める凛。
反応からすると、そこが士郎の家なのか。
初めて士郎の家を見たが、中々いい処に住んでいるらしい。
しかし人の家にズカズカと入っていけるあたり、凛の神経の太さを物語っている。
「ほら士郎、中に入ろうや。戸惑うのも解るが、時には素直に事態を受け入れないと寿命を縮めるぞ」
「う────それはそうだけど」
「今夜はお互い大変だったみたいだが、ようやく一息つけるんだ。説明してくれるってんだから、ありがたくご拝聴しようぜ」
「……そうだな」
おぅ、存外に状況適応は早いな。
俺にしても、これが今の状況を知る唯一の機会になるかもしれない。
何やら魔術師同士の厄介ごとに巻き込まれてる、というか首突っ込んじまったみたいだが、魔術師であるなら疾うに覚悟は出
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