第百六十話 何時か星の海へ
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うってことかよ!」
「何ということだ」
火麻も大河も言葉もない。雷牙博士はその中で言う。
「Zマスターが消滅した今、ゾンダーもゾンダリアンも活動できん筈だぞ!それがどうしてだ!」
「なら一体!?」
異変は続く。これだけではなかった。
「メイン及び動力炉の稼働率が二五パーセントを下回りました!」
今度は牛山が言う。
「間も無くオービットベースも機能を停止します!」
「おいおい!」
火麻がたまりかねたようにして叫ぶ。
「これじゃ手も足も出ねえぜ!!」
「目標が大気圏を突破!」
またスワンの報告が入る。
「日本地区、東京を目指していマス!!」
「何っ!?」
皆それを聞いて悟った。
「もしや敵の目的は!?」
「地球の機界昇華か!!」
「いかん、いかんぞ!」
大河はすぐに叫んだ。
「このままでは!」
「しかしどうすれば!」
誰もいない。だがここでシュウが出て来た。
「心配することはありません」
「何っ!?」
ここで皆シュウの言葉に顔を向ける。見れば彼はいつものように落ち着き払っていた。
「こうなることはわかっていました」
「だったら何で何もしねえんだよ」
「そうよ」
マサキとベッキーがそれに抗議する。
「おめえはいつもよ」
「変に動かないわね」
「それは簡単です。私では何もできないからです」
「どういうことだ!?」
「この機界は特別です」
そうマサキに答える。
「私の力でも。何も為し得ないのですよ」
「じゃあ一体誰が」
「まさかどうしようもないっていうんじゃないだろうね」
マサキだけでなくシモーヌも言う。彼等にはどうすればいいのかわからない。
「いえ、方法はあります」
「方法!?」
「それは何なんだい?」
「奇跡を起こすことです」
それがシュウの言葉であった。
「これから」
「奇跡か」
「そうです、今から」
そうしてシュウはまた言う。
「地球に向かうのです」
「オーーーーー!」
ここでスワンの叫び声が聞こえた。
「護君がギャレオンと共に出撃しました!」
「いかん!」
大河はそれを聞いて思わず叫ぶ。
「一機だけでは無理だ!」
「は、はい!」
「それでは!」
ロンド=ベルの面々は大河の危機に対する声を聞いて緊張を走らせる。
「動ける機体を大空魔竜に積み込み発進させろ!」
「了解!」
そのうえで頷く。そうして急いで出撃にかかる。
「行け!」
「誰でもいい!出られる奴が行け!」
「急げ!」
大河はあえて彼等を急かす。
「全てが手遅れになる前に!!」
「これからです」
シュウもまた彼等に参加しながら言う。
「勇者が本当の意味で勇者になるのは」
今機界との最後の戦いがはじまろうとしていた。その場所は。
危機が去った東京において。今何かが降
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