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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第15話 馬鹿のヤケクソ恐ろしい
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は始祖ブリミルに、……ハルケギニア全体に喧嘩を売ったに等しい行為です。そしてそれは同時に、ブリミル教の教義を前面に押し立てる事で、無茶な捜査を強行する大義名分を得たと言う事でもあります。

 ……このチャンスを逃す訳には行きません。

 ヴァリエール公爵が敵上層部の動きを封じ、そしてヴァレール・ド・クールーズが今回の証拠をもとに末端を逮捕して行きます。敵は叩けば埃が出る者達ばかりなので、逮捕者が出る度に新しい証拠が出て来ました。

 1人また1人と、逮捕者が牢へと入れられて行きます。馬鹿貴族達には、それが自らの滅びの足音に聞こえたでしょう。

 それよりも私達兄弟には、切実な問題があります。

 ……それは母上です。

 父上は(かたき)を討つ時に、軍への復帰を認める約束をしていました。しかし、領地の守備を(ないがしろ)に出来ない状況なので、復帰どころか母上が領地を出る事も許されないのです。(母上が領地を不在にすると、馬鹿貴族が自棄を起こして魔の森に突っ込んできた場合、止める手立てが無くなる可能性があるからです)

 母上もその事は理解しているので、文句こそ言いませんがストレスは溜まる一方です。

 ここでストレスの発散口になるのは、私達の訓練になるわけで……。(残念ながら守備隊は“訓練の疲労で動けませんでした”では話にならないので、母上の訓練から除外されました。物凄く羨ましいです)

 こんな状態なので、私達が敵が自棄を起こして欲しいと思ったのは仕方が無いと事だと思いたいです。……しかしまさか本当に、自棄を起こして攻めて来るとは思いませんでした。敵の辞書には、我慢・神妙等の言葉が載っていない様です。



 この日も私達は、訓練(今は母上にストレス発散)を行う為に、館裏の森に移動しようとしていました。すると突然、ドンドンと花火の様な音が鳴ったのです。この音は緊急時に、関所やパトロール中の守備隊員がならす警報です。

 私達はこの音を聞き緊張しましたが、母上の顔を見て別の意味での緊張……寒気へと移行しました。母上の顔には、極上の笑顔があったのです。そう、寒気がするほどの極上の笑顔が……。

 母上は私達に、館での待機を命じました。

 その命令に私達は、ただ頷く事しか出来ません。……主に恐怖と言う意味で。

 母上は《偏在》を使うと、一人を除き騎獣舎へ向かいます。残ったのは本体の様で、走って来た守備隊隊員から状況を聞き、次々に指示を出しながら去って行きました。

 私はその中に「クールーズ領に、救援を送る準備をしろ」と、言う指示を聞きとりました。

 私は母上が何故この様な事を言うのか、一瞬分かりませんでした。しかし冷静に考えてみると、この判断は適切です。現状で馬鹿貴族達に一番恨みを
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