第38話
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かったのかよ。」
「その通りだけどこの「実験」は何通りの戦闘を行えば完了するのだったかしら?」
「二万ジャストだろォが。
随分とキリのいい数字だと思っていたけどよォ」
言いかけて、一方通行は気づいた。
「そう、あの子の検体番号は二〇〇〇一。
キミもそれは知っていたようね。
あの子は「実験」のシナリオデータ上に必要のない個体、言ってしまえば安全装置のようなもの。
思い浮かべて御覧なさいな。
二万人もの能力者を用意した上で、仮に彼女達が反乱を起こしたらどうなるか。
到底、わたし達スタッフでは手に負えないでしょう?」
「そのための切り札があのガキだァ?
ありゃ何なンだ、人造の超能力者か何かか?」
「ミサカネットワーク、という言葉に聞き覚えはあるかしら?」
一方通行はその言葉に聞き覚えがある。
妹達の間で繋がっている脳波リンクのようなものだ。
「最終信号というものはね、自分の脳に一定の電気信号を送る事でミサカネットワークを操作する事が出来るの。
それによって非常時には二万人全ての「ミサカ」に対して停止信号を送る事を可能にすることで、わたし達を裏切れなくなるようにする。
故に最終信号は自由であってはならない。
そのためにあの子は敢えて未完成の状態に留めてある。」
一方通行は妹達と打ち止めとどこか印象が違うと思っていたがこれが原因なのだと分かる。
彼女は肉体も精神も意図的に未熟のまま管理されていたのだから。
「で、あのガキについたバグってのは?っつか、ウィルスだっけか?」
「「実験」終了後も最終信号はここの培養器で秘密裏に預かっていたのだけれど、一週間ほど前に突然異常な脳波が計測されたの。
慌てて培養器のある建物に行ってみれば、内側から設備を破壊されてあの子は逃亡した後だった、という訳。」
「警備員や風紀委員には通報しなかったンかよ。」
「できなかったの、わたし達の「実験」は上層部に黙認されていたものの、大っぴらに公言して良いものではないから。
でも、逃げ出すなんて思っていなかったわ。
それにこの七日間を生き延びたというのがすでに誤算だったわ。
そんなに強く作ったつもりはない筈なのに・・・やはり情が移ってしまったのかしらね。」
そう桔梗が呟いているが一方通行は桔梗の説明を受けて気になる所があった。
「おい、あのガキにバグ・・あァ〜ウィルスだったかァ?
それはど
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ