第百五十二話 ゼダンの門
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タップとライトも驚きを隠せない。今のは確実に問題発言であった。
「そ、それはつまり」
顔がさらに顔が赤くなる。段々言葉が出なくなっていた。
「私はその、キスにしろ」
「まだなんですか?」
「まだだ」
カナンがすかさず入れてきた簡単な誘導尋問に引っ掛かる。
「それは結婚してからだからな」
「録音したか?」
「うん」
サイは勇の言葉に頷く。
「はっきりと」
「何をしている、君は」
「えっ、別に」
「何もないよな」
「そうか。いや」
狼狽しきっているからこそ気付かない。サイは勇にこっそりと渡す。
「しかしだ。私はその、キース・・・・・・いやバゥアー少佐とは別にだ」
「とりあえずキスはまだ、と」
「あの、ナタルさん」
「むっ」
カズイもメモしてトールがナタルに声をかける。
「全部わかってますけれど」
「君達何時の間にそんなことを」
「今ナタルさん言いましたから」
「なっ」
ミリアリアの突っ込みに自分で目を丸くさせる。
「何故だ、催眠術でも」
「ナタルさんってまさか」
「ああ、そうだな」
ジュドーがキラの言葉に頷く。
「滅茶苦茶純情だよな」
「そういえばそんな感じですけれど」
「もうおばさんなのによ」
そしてシンがまたしても言わなくていいことを口にする。
「御苦労なことだぜ」
「・・・・・・少年、死ね」
ナタルはすぐにそう言ってシンに鉄拳制裁を浴びせてきた。
「今ここでだ」
「あががががががが・・・・・・」
眉間に拳を浴びて倒れる。倒れてそのまま気を失う。
「とにかくだ、私は」
ナタルもまた言わなくていいことを口にする。
「何もやましいことはない、誓ってだ」
「あの、大尉」
たまりかねたキースが彼女に声をかける。
「もうこれ以上は」
「少佐」
「言わない方がいいですが」
「えっ」
言われてやっと気付く。また顔が真っ赤になる。
「そ、そうですね。その」
「わかりました。それじゃあ」
「そうです。あのな、御前等」
キースは照れ臭そうな顔でジュドー達に言う。
「別に隠すつもりもなかったが俺と大尉は」
「少佐、それ以上は」
「今ナタルさんが全部言いましたし」
またジュドーが突っ込みを入れる。
「別にもう」
「うう・・・・・・」
ナタルは顔を真っ赤にさせて困った顔をしている。何も言えなくなっていた。
「私は別に、その」
「わかったから。もうこれ以上からかわないでくれよ」
キースはナタルをちらりと見ながら皆に言う。
「さもないと大尉が。まあ」
「わかりましたよ。それじゃあ」
「頼むぞ」
キースはまた言う。
「何分な。まあ」
「すいません、少佐」
キースの側で恥ずかしそうに述べる。
「私のせいで」
「それはいいけれどな。それでも」
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