第百五十二話 ゼダンの門
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であった。
「それでは今からは」
「そうだ、私がティターンズの指導者だ」
ジャミトフとバスクを失い、そのジャミトフから遺訓を受けたのならば充分であった。彼は今ティターンズをその手中に収めたのであった。
「わかりました。それでは」
「今の状況ではいずれ負ける」
彼は最初の指示を下してきた。
「一旦コロニー群まで下がりそこで戦力を再編成する。いいな」
「はい。では」
「総員撤退だ」
彼は言った。
「そしてその場所で最後の戦いを挑む。わかったな」
「はっ」
「さて、これで我々は本当に後がなくなったが」
それでもその顔には余裕があった。
「ロンド=ベル。そう簡単には負けてやるわけにはいかぬ」
口元に自信に満ちた笑みを浮かべて述べた。そうしてレイを振り切りにかかった。
「引くのか」
「そうだ」
すぐに彼に答える。
「また機会をあらためてとしよう」
「貴方はまだ戦うつもりなのか」
「それがどうしたというのだ?」
レイの問いへの返事はいささかうそぶく感じであった。
「命ある限り戦いはある。違うか」
「貴方の戦いは違う」
そう彼自身に対して告げる。
「貴方のそれは己の欲望の為の戦いだ。俺の戦いとは」
「君の戦いなぞどうでもいい」
それははっきりと言い捨てた。
「君には私のことはわからんさ。私の崇高な理想がな」
「いや、貴方には理想はない」
レイは見抜いていた。
「貴方にあるのは野心、それだけだ」
「それの何処が悪いのかね」
シロッコはその言葉を突き付けられてもまだ平然としていた。
「野心を追い求めるのもまた人間なのだよ。それを覚えておくのだな」
「その先にあるのは」
「理想の世界だ」
こううそぶく。
「それを実現してみせよう。君達を倒した後でな」
そう言い残して姿を消した。ジ=オUの機動力で瞬く間に振り切ったのであった。
「パプテマス=シロッコ」
一人残ったレイはその名を呟く。
「野望の果てに何があるのか・・・・・・知るといい」
そう言い残すと彼も戦場を後にした。まずは集結し次の行動に移る為であった。
ゼダンとルナツーは戦闘不能に陥りジャミトフとバスクも死んだ。だがそれで終わりではなかったのであった。
「しぶといね、そりゃまた」
ジュドーはタリア達から話を聞いてそう述べた。
「コロニー群に入ってまで戦うなんてね」
「けれどこれで後がなくなったってわけだ」
ビルギットがジュドーに言った。
「あそこがティターンズの最後の軍事拠点だからな」
「そうね。あそこを陥落させれば」
アンナマリーもそれに続いて言う。
「ティターンズとの戦いは完全に終わりよ」
「なら迷うことはないな」
「ああ」
ロベルトの言葉にアポリーが頷く。
「コロニー群へ」
「進撃だ」
「宇宙の渦だ
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