§23 叢雲古老恵那委員会、あとしまつ
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延々と繰り返そうものなら叢雲を圧倒した人間として確実に注目を集める。第一叢雲がジリ貧だ。いずれ再生で神力を使い果たして倒れてしまう。そもそも叢雲が再生能力を持つのかもわからない。
「……ロンギヌス、叢雲に力、貸してやってくんない? 同じチート武器の仲間のよしみでさ」
黎斗がするバカげた提案に、相棒からの答えはない、がどことなく呆れている気配を感じる。当然だろう、何処の世界に敵の再生能力を強化して、自分を負けさせるために己の武器を差し出す者がいるというのだ。ならばやはり再生ではなく攻撃以外に道は無し、と叢雲の身体に理解させる他は無し。全体をまんべんなくかつ修復が容易ではないように破壊する。
そんなくだらないやりとりをする黎斗の願いはどうやら天に通じたらしい。突如叢雲の動きが激しくなったのだ。
「……!!」
このままでは、死ぬ。そう感じたのであろう叢雲が渾身の力で暴れ出す。暴れた衝撃は糸を経由し、当然黎斗まで伝達される。普段の彼ならこの程度なんのことはないだろう。普段なら。
「おわあぁぁー……覚えてろぉぉぉ……」
暴れる気配を察し、敢えて力を抜いた黎斗は、当然の如く飛ばされた。紆余曲折あったが作戦通りである。顔がにやけないように必死で我慢しながら、負け台詞っぽいのを叫びながら宙を舞う。これで部外者は退場し、魔王が再び場に現れる。
「計画通り……!!」
そんな呟きと共に、黎斗の頭は大地に激突し飛散した。
「あいたたた……」
もぞもぞと、地面から生えた足が動く。じたばたを数分繰り返した後、諦めたのか抵抗が止んだ。次の瞬間、地面から黎斗の上半身が姿を現した。土の中からバタフライをするかのように両手を動かしながら。上半身が埋まっていた穴など見当たらない。実はここ土色の水のプールなんですよ、と言えば信じる人は決して少なくないはずだ。
「土遁で出た方がやっぱ楽か。魔術使わないで脱出してみせる、なんてくだらん意地張るんじゃあなかったな」
そう言う彼の姿はいたって普通。泥まみれになっていなければ服が汚れているわけでもない。寧ろ大地にむき出しにされていた下半身、特にズボンが酷い有様だ。土砂が飛び散っていてなかなか汚い。とりあえず見渡してみて若干散らかっている自身の身体を焼却処分。黎斗自身は再生を果たしているのにここにこんなのが置いてあったら混乱すること請け合いだ。
「さて。護堂は上手にやってくれたかな、っと」
笑みを浮かべながら振り向いた黎斗は護堂が???猪が堀を破壊する光景を直視する
「……」
笑みが、凍った。そんな黎斗をあざ笑うかのように、猪が勝利の咆哮をあげる。巨人の破片
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