§19 急転直下
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が厳しいとかそんなことがありえるのだろうか。教頭にも三馬鹿監督として認識されていたのだとしたら泣けてくる。もし教頭が彼らを警戒しているのなら、三馬鹿は城南学院の要注意生徒(ブラックリスト)殿堂入りではないか。黎斗自身も巻き添えを喰らっている可能性が高い。
「勘弁してくれ。あいつら暴走した時は無駄にカリスマみたいなのと実行力があるからなぁ……」
嘆息しながら空を見上げる。黒い太陽が燦々と輝く。???輝く?
「……って、黒い太陽!?」
神経を研ぎ澄ませて周囲を辿る。感じるのは須佐之男命の、力。吹き荒れる暴風も全ては須佐之男命の力の一端か。
「どういうことだよ、コレ!?」
階段を一足飛ばしで駆け上がる。屋上に飛び出て外を見渡す。見晴らしの良いところまで移動せねば。屋上への扉に鍵がかかっているがピッキングで解決。良い子は真似したらいけません。術の中心は何処だ……?
「術式削除しときゃよかったなこりゃ」
こうなってしまっては後の祭りか。一番高いところから外を捜索していると、派手にやりあう少女が二人。
「恵那とエリカぁ!?」
どうしてこうなった。そう叫びたいのを必死にこらえて黎斗は屋上から飛び降りる。本当は目立つから飛び降りは却下したかったが背に腹は代えられない。一刻も早くあの二人を問い詰めるしかない。学園で争われたら平和な日常を謳歌することが出来なくなる。学校が吹き飛んだらニート生活に逆戻りだ。
黎斗が着地した時、事態は更に取り返しのつかないことになっていた。大地に出現していた謎の黒い何かに、あろうことか二人が飛び込んで行ったのだ。彼が駆けつける前に、黒い何かは消滅した。
「え、ちょ……」
何を無謀なことを。エリカだったらこんな危ない橋を渡ることはないと思うのだが、これはどういうことだろう。未知の領域に突撃するなんて。普段の彼女には似つかわしくない行為だ。
「……」
行かなければならない事情があったとしたら。たとえば???駄目だ思い浮かばない。
「困りましたねぇ。黎斗さんどうします?」
幽世に行って須佐之男命を問い詰めようか、そんなことを考える黎斗に呑気な声が後ろからかかる。
「甘粕さん。これは何がどうなっているんですか?」
「わかりませんよ。失踪する瞬間は見ていませんでしたから。気配を辿ってきてみたらこんな有様でして。断片的にでも見ていらっしゃった黎斗さんの方が詳しいのでは? 黎斗さんは見ていらしゃったんでしょう?」
「当てにならねぇ…… じゃあさ、甘粕さんはこれなんだと思います?」
”失踪する瞬間は”ということはそれ以外なら見ていたのだろうか。そんなことを聞こうかとも思ったが、流石にそれは
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