§17 新たなる刺客達、もとい転校生&居候
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。だが若干の緊張を含ませた顔から呆れ顔に変わったエリカは口を再び開く。
「貴方ねぇ。張本人の私が言うのもおかしな話だけどちょっと投げやりすぎない? どうでも良いようにしか聞こえないわよ? バレたら困るでしょ。……私に言えるセリフでは決してないのだけれど。ま、それは置いておいて。本当にごめんなさい。さっきの場では言わなかったけれど祐理からお礼の手紙を預かっているわ。直接あの子に御礼参りさせると貴方の立場が大変なことになるかな、と思ってこうしたのだけれどよかったかしら?」
はい、と渡された手紙をカバンにしまう。年賀状以外で女子から手紙を貰ったのは初めてだ。
「ご慧眼御見それしました。マジで助かった、ありがと。護堂繋がりで昼ごはん一緒に食べてるとはいえあんま話さないからね。昼休みとかに話をすればいらない注目浴びるし」
その点エリカは裕理と違って同じクラスだ。機会さえあればそれなりに話す。下手をすればクラスメイトで女子で一番話すのは彼女ではなかろうか。それはつまりクラスの人間とはあまり話さないことを意味している。自分の交友関係の狭さに苦笑いしか出てこない。
「あと護堂には貴方の事何も言ってないわ。祐理とも話したのだけれど貴方のこと、護堂には話さないでおくから。仲の良い友達なんでしょ? 自分の口から言いなさい」
傍から聞けばいいセリフだな、と思う。だが。
「魔術結社に僕の正体バラした人間の台詞とは思えねぇなおい」
「だから、あれはついつい我を忘れてだったの!! そう言ってるでしょ!! 私だって、そんなつもり本当はなかったわよ!!」
我を忘れる、とは今のようなエリカではなかろうか。らしくなく叫ぶ彼女を唖然と見守っていると、我に返った彼女はわざとらしく咳払いを一つ。ほんのり顔が赤い。
「ッ〜!!」
流石元ツンデレ(だったと思われる)美少女、恨みがましくこちらを見てくる表情の破壊力が半端ない。なんかこっちが罪悪感を感じてしまう。これだから、美人は本当に得だ。
「護堂ってカンピオーネなんでしょ? これからもきちんと支えてやりな。スサノオと話していてよく聞くのは、カンピオーネってのは戦いを避けられないことだし」
最初は様をつけていたのだが、気付けば須佐之男命を呼び捨てだ。直す気力も起きないしこの分ならカンピオーネに敬意を払わなくても構わない筈。護堂くらいなら普段通りに接して大丈夫だろう。開き直って告げるは忠告。エリカの表情に罪悪感を感じてしまったのだ。たまにはこのくらいの気まぐれだっていいだろう。須佐之男命に聞いたなんてのは嘘っぱち。実体験とシルクロードを旅する間に聞いた話だ。嘘をつくときのコツはひと握りの嘘を真実で固めることらしいから須佐之男命の名前を借りておこうか。
「そんなこと
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