GGO編
百七話 Chase
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き渡り、開いた扉の向こう側で幾つものマズルフラッシュが瞬いた。
アイリが、MP7を乱射したのだ。
さしもの死銃もこれには驚いたらしく、機械馬のスピードを少し落として後退するようにその弾丸を避ける。おかげで距離が取れたが、リョウ達はそれ所ではなかった。
車体が左に寄り、声が響く。
「バカ!止せっ!!」
「アイリさん!扉を閉めて!!」
「ワアア゛ア゛ア゛アア゛アァァァァッッ!!!」
リョウとキリトが、アイリを制止しようと怒鳴った。
キリトが身体を晒しているのは、あくまでも現実世界の自分の身体にもしもの事が有ったとしても、ある程度対応する事が出来るからだ。しかし、アイリにそんな手段は無いはずだ。そもそもドアを開いて射撃するなど危険すぎる。
しかしアイリはその制止を完全に無視して(と言うか聞こえて居ないのだ)一弾倉を一気に撃ち尽くすと、凄まじいスピードでリロードを行ってドアを閉じないまま再び銃口を死銃に向ける。
「おい止せ、アイリ!!」
「オオオオオオッッ!」
再びのリョウの制止も無視。そのまま射撃するアイリに、リョウは苛立ったように舌打ちする。
「何だってんだ……っと!」
と、前方の廃車が近くなって居るのを見て、リョウは慌てたようにハンドルを右に切って避ける。すると……
「ん……?」
前方に見えた物を見て、彼は少し声を上げた。しかしその思考が組み上がるよりも先に……
「兄貴、不味い!死銃が……!」
キリトの声がそれを遮った。死銃が三度拳銃を取り出したのだ。
「おいおい……アイリ!」
「こんのぉぉぉ!」
リョウは更にアイリを制止するがしかし、尚も彼女が射撃を止める気配は無い。それどころか、ムキになったように弾丸をばらまき続けている。
既に死銃の間合いに此方は入っている。やむ追えず、リョウは強硬手段に出た。
「止せ……っつてんだろうがぁ!!!」
「うおおぉぉ!!?」
「キャアッ!?」
「!?……あぐっ!?」
車体を一度左に振った跡、強引に右に戻す。
反動でアイリは車内右側へと吹っ飛ばされ、右側へと吹っ飛ばされて、反対側のドアに強かに頭をぶつけた。ちなみに、左側のドアは反動で閉じ、直後そこに弾丸が着弾した音がして、シノンがまた肩を震わせた。ギリギリだったようだ。
「キリト!牽制続けろ!つかいい加減当てろよ!」
「いや、おれアサルトライフルって使うの初めてで……」
「言い訳無用だ!」
キリトに怒鳴り返すと、リョウは再び前を見る。しかしそこでアイリから怒鳴り声が飛んできた。
「何するの!?」
かなりの大声で飛んできたそれに、リョウは少し息を吸い込むと……
「こっちの台詞だ、この馬鹿っ!!!!てめぇはなんだ、死ぬ気か!?あぁ
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