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メディスン・メランコリー 〜無名の丘〜
メディスン・メランコリー 〜無名の丘〜
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「妖精・・・・?そう。」

 「鈴蘭の妖精なのかなぁ?聞いたこともないけど、お姉ちゃん、ある?」

 「無いわね。ちょっと前まで私達は秋しか動けなかったから。
  それで、どうしてあなたは喋れるのかしら?」

 「喋る・・・?」

 「そうだよ?普通人形は動けないのに。持ち主が近くで操っているんじゃないの?」

 「・・・?人形は本来持ち主とお話したり遊んだりしてるんじゃないの?」

 「あはは。普通人形は人間の持ち主の傍にはいるけど、動かないし、喋れないよ?」

驚愕の事実だ。この世界とは何と残酷なんだろう。人形が人間の管理下にあり、発言の自由もなく、行動の自由も一切奪われているという事実。私がここまで生きてこられたのは、人間の迫害を受けなかったから?いや・・・?違う。私の数々の知識は、人間が共にいた時の記憶。つまり私は、奴隷となりボロ雑巾にように使われた人形時代と決別するためにここへ来た・・・?思い出してみると、他の人形も私も、いつも無表情に人間に抱えられていた気がする。無理もない。自由が奪われ、生きる意味を見いだせていないのでしょう。可哀想に・・・。

 「人形は基本的に人間の傍にしかいないの?私のように外に出ている場合はないの?」

ここは仲間を探し、同士を募らなければと思った。私達人形にとって今の状況は人間の家畜と同じだ。
革命を起こすしかない。私はそう考えていた。重すぎる使命だけど、やるしかない。

 「どうなんでしょう?今までは見たことがないわ」

 「そう、困ったわ・・・」

 「あ!でも人形を沢山持ってる魔法使いさんならいるよ!」

 「魔法使い?」

 「ああ、そうね。彼女に聞けば色々と分かるかもしれないわよ?人形について様々な研究をしてるから」

 「研、究?」

 「そうそう!人形を使った攻撃はすごくて、私たち何回も弾幕勝負で負けてるもんね?お姉ちゃん」

 「そう・・・・だったわね。はぁ」


魔法使いによる人体実験・・・。この現状は絶望的だ。そこで私達人形は何らかの方法で操られ、戦闘兵器として生まれ変わり、神をも超える力を得ているらしい。もはや助け出す前に私が消されるかもしれない。
人形の仲間を募ることは予想以上に難しいみたい。仲間が操られたスパイである可能性があれば、隠れて行動する意味がない。こちらから仕掛けなければ救い出せないというのに。圧倒的な戦力差の前に動くこともできない。
この2人に助けを求めてみようかな?
いや、先ほどの話の内容であれば人間の信仰によって存在する神のようだし・・・。さらには、例の人形兵器に完敗してる。戦力としても、仲間になることも期待できそうにない。それにここで作戦内容を明かすわけにはいかない。うまく利用しないと・・・・
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