SAO編−白百合の刃−
SAO3-隠れボスという存在
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しに行こうかな、と思った矢先だった。
「…………」
「ドウセツ?」
返事もせず、ドウセツは窓の向こう側をずっと見ていた。気になったので、私も窓の向こう側に視線を向ける。そこから見えるのは、純白のマントに赤の紋章、まさしくギルド血聖騎士団のユニフォーム。それに加えて、装飾過多気味の金属鎧と大斧を装備した嫌味そうな眼鏡の青年を私は見たことある顔だと認識。名前は確かストロングス。名前のわりに外見と性格が似合わなくて、ドウセツの猛毒舌の餌食にされた人だ。
「なんで、ここにいるの?」
「知らないが、知りたくもないわね」
窓越しからストロングスを見たドウセツは、落ち着いた態度で外に飛び出した。それに私は続いて外に出る。
外に出ると、ストロングスはこちらに気づき、昨日とは打って変わって、涼しげな表情で口を開いて話かけてきた。
「ドウセツ」
「張り込みとかキモいわよ、変態負け犬」
「き、貴様!!」
と思いきや、早くも先制攻撃の毒を喰らってしまい、冷静さを失い眉間にシワが寄せて昨日と同じように憎々しげ口を開き、発した。
「お、お前が裏切ったおかげで、アスナ副団長が悲しみ泥をつけた代償、今すぐここで払え!」
「人がいつやめて、いつ抜けるのは自由でしょ? そんなこともわからないなんて……」
ドウセツは一旦、目を閉じ、毒を溜め込んでからの冷淡な声色で毒を吐いた。
「このストーカー、変態、性格、外見、武器、全てが中途半端で似合わないし、自分が正義だと思っている愚か者。うざいしバカでしつけのなってない負け犬。意味がわからなすぎるから消えて」
うわぁ……容赦ないなぁ……。毒を吐くより、攻撃性もあるから毒を刺しているわね。普通の人ならば精神的にHP0になるんじゃない? メンタル大事ね。
「……って」
突然、ドウセツは右指を私に向けた。
「キリカが言っていたわ」
…………。
…………は?
ドウセツは、先ほどまで精神攻撃という名の毒をぶつけてきた。それなのになんか私がやったことになっていた。本当に何が起こったのか一瞬理解できなかった。
なんでドウセツは……得をしない嘘をつくのかな? 意外とドウセツって、バカじゃないかなぁ? なんで私に責任を押し付けるようなことするのかな!? 悪魔か!
いや、そうは言っても、こんな嘘で騙されるなんているわけが……。
「ざけるなぁ!!」
「信じているのかよ!」
憎悪を向ける視線は私に変わり、ドウセツの嘘を信じたストロングスは軋むような声で怒りを露にする。この瞬間、ストロングスは私までも怨む対象になったってことだ。そんな元凶である隣の猛毒プレイヤーは清々しいほど冷静だった。
「もっとオブラートに包まないと駄目でしょ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ