絶望の淵へと落ちろ
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「敵だからって………こんなこと………」
一夏の言葉に俺は呆れていた。
―――甘すぎる
俺も人のことは言えないが、それでも甘い。
「だったらそいつらに失礼だろ? まぁ、高がIS如きに本気なんて出す気は毛頭ないが」
「え……?」
「どういうことだ?」
呆然とした一夏に代わり、篠ノ之が質問する。
「もしかして、気付いていないのか? 俺はお前ら―――本気を出したのは前の下だけだぞ。あれでもディアンルグは全力を出してないが」
「嘘だろ!?」
一夏の言葉に篠ノ之は首を傾げる。もっとも、篠ノ之がわからないのは無理もない。あの時の惨状をその目で見ていないからな。
「つまり、そういうことだ。もういいだろ。これ以上、俺はお前らのお遊戯に付き合う気はない」
そう言って俺はピットに戻ろうとするが、
「私が行かせると思っているのか?」
篠ノ之が俺の前に立ちはだかった。
「止めておけ。紅椿の力を満足に引き出せていないお前が俺に勝てるわけがない」
「生憎、私は逃げる気はない」
「それがどうした? それと言い直してやる。「みんなを守る」と言っておきながら守れない雑魚の種を取り合うメス犬風情が下らない気を張るな。目障りだ」
「貴様ッ!!」
篠ノ之が突っ込んでくるが、それを吹き飛ばして壁にぶつける。
「後はお前だけだな。どうだ? 守りたいと思っていた仲間を守れなかった屈辱の味は?」
「―――まだだ」
装甲をビームが通過する。いつの間にか絢爛舞踏が発揮され、新武装の出力可変型ブラスターライフル《穿千》でこっちを撃ったのか。
「さすがは第四世代。しかもあの狂人が造っただけのことはあるな。だが―――」
「させるかぁぁッ!!」
一夏が篠ノ之と俺の間に割って入り、零落白夜の光刃が俺を襲う。
それを回避して距離を開く。
「うぉおおおおおッ!!」
二段瞬時加速を使用して俺に攻撃して通過し、ディアンルグのシールドエネルギーが減る。
「……なるほど。不意打ちからなら攻撃が当たるようになったか。だが―――それまでだ」
大型ビーム砲《メテオ》を発射して、白式の装甲は吹き飛んだ。
「一夏ァああああああッ!!」
「叫んでいる暇があるなら―――さっさと攻撃に回ればよかっただろうに」
そして篠ノ之も食らい、全員が倒れた。
■■■
『……………』
管制室にいる人間は全員が驚いていた。
『まぁ、概ね予想通りね。これで彼らも少しは自分の格を把握できたんじゃないかしら』
「……シヴァ……いつの間に……」
『姿を消していただけでずっとここにいたわ。簪みたいに来てすぐに起きたって感じかしら
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ