絶望の淵へと落ちろ
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』
シヴァはそう言いつつ千冬の顔を見る。それに気付いたのか、千冬がシヴァに声をかけた。
「どうした?」
『怒らないのね』
「ああ。だが、個人的には気に入らないというのはある」
『だけど止めておいた方がいいわよ。今回のことは喧嘩を売ってきたのは向こう。そして武装はどうあれ、祐人は自分の実力を証明しただけなのだから』
「……そうだな」
だけどやはり煮え切らないのだろう。千冬の殺気がその場に充満していた。
『……そういえば、楯無がいないわね』
「……………」
虚は慌てて目を逸らす。
『何か知っているのかしら?』
「どこかに行ったことだけは。ですが、どこに行ったのかは知りません」
虚はそれだけ言うと口を閉じる。
『………余計なことをしていなければいいけど』
■■■
更衣室に設置されているシャワー室で誰もいないのでシャワーを浴び、着替えてそのまま部屋に戻っている。
(………やりすぎたか?)
今は俺と戦った全ISのデータを見ていた。手加減をしていたとは言え、全部がしばらくは使用できない状況だろう。
『やりすぎでしょう』
(わかってる。わかっているから―――)
『どうして今更《メテオ》なんて使用するのかと思うと、そういう意図ですか。まさか破壊衝動に駆り立てられてとは………』
セバスのお小言が傷口に塩を塗られているような感覚だった。
『しかも未調整ですよ。明らかに違法物ですよね』
そう。当初《メテオ》は別の意図に使うつもりだったので未調整だったのだが、今回は自分の頭の能力も教えるためにしたのだが………。
(やっぱりやりすぎたか………?)
まぁ、向こうから売ってきた喧嘩だ。気にする必要はないな。
そう結論付けて自室に着いたので鍵を開けてドアを開き―――
「―――おかえりなさい。ご飯にします? お風呂にします? それとも、わ・た・し?」
裸エプロン姿の楯無がいた。
ここは俺の部屋、それは間違いない。ならば―――
―――パシンッ
鳩尾を狙って殴るが、楯無がそれを防ぐ。だが、力で押し負けたのか後ろに跳躍して距離を取った。
「……痛いわね。以前と違ってパワーも増しているところかしら」
「楽に死ねると思うなよ、痴女スパイ。今すぐ引導を渡してやる」
虚空から鎖を展開して襲わせる。
「変態ゴリラに言われたくないわよ」
「何かある度に悪戯する変人が言う資格ないけどな」
というか変態ゴリラか。変態ゴリラ………ね。
「以前は顔の近くに椅子を叩きつけるだけだったが、今度は顔にぶつけてみるか」
「それって事実上の処刑よね!? まぁ、ISを展開すればな
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