No.6
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No.6、青髪の少女は独り言をもらす。彼女の周りには風が巻き起こっていた。
彼女はその風を利用し鎖を断ち斬ると小窓から研究所を抜け出した。こうして毎朝彼女は外に出ているのだ。そして昼頃に男がやって来る前に戻るのだ。
一度逃げ出したことがあったのだが見つかり、捕まり、殺されかけた。小学生ぐらいの彼女にはそのトラウマにより完全に逃げ出すことができないでいた。
何時ものように昼前に戻ってきて鎖を空気で固定してバレないようにしていた。
「No.6貴様が抜け出していることなどわかりきっている」
少女は絶望した。
また殺されかけるのか、それとも今回は本当に殺されてしまうのか
少女は怖かった。
しかし現在彼女は大能力者。男達を捻り潰すことは簡単だ。
だが男達のいる場所は何故か能力が使えないでいた。
故に彼女は今朝、遭遇した少年から銃を奪おうとしたのだ。
「まぁ良い。ちゃんと戻ってきているしな
だが今日から特別メニューを追加してやる」
男がそう言うと壁に繋がれている鎖が落ちた。
「空気で固定しているのだろ?外してそのドアから出ろ」
No.6は能力を解きドアの向こう側へ歩みだした。
そしてドアノブを捻る。
その瞬間炎の塊が飛んできた。
No.6はそれを避け部屋の中へと転がりこむ。
「No.6、No.13貴様らで殺しあえ」
No.6は息を飲んだ。
殺し合うという事実と自分達10人以外にも同じような子供がいるということに
No.13と呼ばれたのはおそらく目の前にいる少年のことだろう。
先程の炎を見る限り火炎放射。
ならば自分と相性が良い。
しかしこの自分と同い年くらいの少年を殺してしまって良いのだろうか。
確かに殺らなければ殺られる、そんな状況なのだが人間としての良心、これが邪魔をしていた。
だがNo.13と呼ばれた少年は躊躇うことをせず炎を放った。
その炎はNo.6の服の端を燃やした。
「死ねよ……出来損ないのゴミ…」
そこから彼女は何も覚えてはいなかった。
ただ、死ねよと言われた、ゴミと言われた。
それで彼女の何かのスイッチが入ったのだ。
彼女が意識を取り戻したときには部屋中何かに切り裂かれたような後があり、部屋の中央には言い表せないほどの死体があった。
「……ぁ…あ……」
No.6はその場に座り込んでしまった。
「凄まじいなNo.6は」
「はい、No.13と相性が良いと言ってもあそこまで圧倒的とは思いませんでした。」
「これは最初に超能力者に達するのは“空気共鳴《エアーリンク》”が有力だな」
男達の気持ちの悪い笑い声がその部屋を覆い尽くした。
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