A's編
第二十七話 前
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は負けないというある種のプライドがあったのだろう。あるいは、それで自分の優位性を保っていたのかもしれない。しかし、今回のことで僕は運動もできることがわかってしまった。だから、それを機会とみて、僕に反抗的だった勢力が、少しずつ勢力を伸ばしているらしい。
これは、隼人くんからの情報だから間違いはないと思うが、実に厄介なことになった、と嘆息するしかないのだった。
◇ ◇ ◇
運動会の混乱から一か月と半分。一時期忙しかった日々だったが、大体、収束してきた。
人のうわさも七十五日というが、まさしくその通りだ。鉄は熱いうちに打て、と言わんばかりに二週間ぐらいは忙しかったが、それ以降は、大体、元のスケジュールに戻り始めた。しかしながら、女の子へのつながりは強くなったと思うし、前よりも好意的な女の子が増えたことは間違いない。男子のほうも、少しだけ反抗的な態度をとる人もいたが、新しく話すようになった男子もいるため、プラスもマイナスもないだろう。
つい一週間前は、運動会での活躍を見ていたのだろう士郎さんのサッカーチームで特例として―――士郎さんのチームは四年生以上で構成される―――練習試合にも出たりもしたが、そこでは、フォワードではなくディフェンダーとして出場したので、あまり目立たなかった。いや、正確には士郎さんのチームが強いのだろう。何度かボールが来たが、そんなに数は多くなかった。
応援に来てくれたアリサちゃんは、活躍しなかった僕に対して不満げな顔をしていたが、僕の役割はディフェンダーでゴールを守ることであり、攻めることではないのだが、それをサッカーのルールをボールをゴールに入れたら得点、ぐらいしか知らないアリサちゃんに求めるのは酷なことだ、とある程度、ルールを知っているすずかちゃんと苦笑したものだ。
そういえば、僕の試合だというのに応援に来てくれなかったなのはちゃんは、どうしているのだろうか? 最近は、魔法の練習もなのはちゃんが拒否するのだから珍しい。また、前のようにひきこもりになっていなかったらいいのだが。少しだけ心配だが、士郎さんの話では、いつも通りらしい。どうやら、僕は避けられているようだが、何かしただろうか? と首をひねらざるをえない。
来週もそんな感じだったら、一度、なのはちゃんを捕まえて話をしなければならないと思っている。
さて、近状といえば、そんなものだが、今日は、学校がない土曜日だ。僕はお昼からいつもお世話になっている図書館へと繰り出していた。いつもならすずかちゃんと一緒に来る図書館であるが、今日は一人だ。理由は図書館の外で降っている大粒の雫にある。
本来であれば、今日はみんなでサッカーをするはずだったのだ。しかしながら、外はあいにくの大荒れである。当然のこ
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