A's編
第二十七話 前
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にアリシアちゃんやアリサちゃんが話していたのを聞いて、ようやく自分が目立ったことに気付いたのだから度し難い。僕と同じく貢献者であるはずのすずかちゃんのことは、僕の最後があまりにも目立ってしまったせいか、あまり話題に上らなかったのは、かわいそうだ。
しかし、僕がそのことを言うと、すずかちゃんはいつも通り微笑みながら、「ショウくんがわかってくれるなら、それでいいよ」というのだから、なんとも奥ゆかしい。もともとも、あまり目立ちたがり屋ではないのだから、それでよかったのかもしれない。だが、そうなると話題は僕に来るものである。
しかも、あの時、実は僕たちの白組は負けており、学年対抗別リレーの結果いかんでは、逆転だったのだ。そして、その火ぶたを切ったのはどうやら僕たち三年生の1位だったらしい。僕たちに触発されたように4年生、5年生、6年生で白組が1位を取り、逆転。今年は白組が勝利した。どうやら、事態はどこまでも僕の活躍をドラマチックにしたようだった。
運動会などのイベントで活躍したものはある種のヒーローである。よって、運動会が終わった後、僕は人気者だった。女子のまとめ役である夏希ちゃんの話によると女子の中で僕の株は上がったらしい。特に中立だった女子たちは僕に好意的になったといっても過言ではないらしい。いわく、地盤を固めるために今まで以上にお昼をほかの人と食べなければならなかった。
しかし、そのためにアリサちゃんたちと一緒に食べる回数が少なくなってしまったため、拗ねてしまい、機嫌を治すのに日曜日などに遊びに行くなどが必要だったが。しかも、アリサちゃんだけならまだしも、すずかちゃんも、アリシアちゃんも不機嫌になるのだから、困ったものだ。正直、僕の身体が1つしかないのが口惜しいほどに忙しかった。
アリシアちゃんは、夜にかまって一緒に遊んで、すずかちゃんは休みに2人だけでお茶会を行うことで何とかなった。すずかちゃんには、なぜ、2人なのだろうか? とは思ったが、会話のほとんどが僕たちが読んでいる本の内容なのだから、アリサちゃんがいても話についていけずにもっと不機嫌になるだけなので正解だったのかもしれない。
そんな中、なのはちゃんは、特に不機嫌そうな様子も見せていなかったので助かった。あの死にかけた体験から魔法の練習はやっておこうと思ったので、なのはちゃんに不機嫌になられると困ってしまったが、どうやら杞憂だったようだ。
そして、もう一つ困ったことが発生した。クラス内の僕を中心とした勢力に変化が生じたのだ。つまり、今まで僕に比較的好意的だったクラスメイトが、距離を置くようになった。それは、比較的男子に多く、しかも、勉強では負けていたが、運動では自信があったような人だ。
僕には確かに勉強では負けていたが、運動で
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