第4章 聖痕
第40話 龍の娘
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為にやって来たと言う事ですか。
それに、彼女がガリア、つまり、フランスに住む龍ならば、彼女の属性は雷。俺と同じ木行に属する龍の可能性が高い。
フランスに棲む龍で有名なのは、ヴィーヴル。翼有る竜で、女性形。ただ、ワーム。つまり、細長い身体に羽が生えた姿で表現される事も多い事から、本来の姿は、東洋産の龍。つまり、俺と同じ姿形の龍である可能性も有る、と言う事。
しかし、本来は龍の息子。ドラキュラが支配するはずの地で、龍の娘に出会うとはね。シャレが効き過ぎていて、ツッコミを入れる気さえ起きて来ませんよ。
そうすると、あの彼女が所持している宝剣も、龍が護りし剣と言う事ですか。
そう考えながら、アリアの腰に提げられた剣を見つめる俺。
「この刀は、我が家に伝わる宝刀です」
俺の視線に気付いたアリアにより、黒い光沢を放つ鞘から抜き放たれる長剣。その銀色に輝く刃には、波立つように走る美しい波紋と、そして、天上に輝く七つの星が描かれていた。
「刀身が曇っているな。七星の宝刀の刀身が曇ると言う事は、陰気が近付いている印」
少し、瞳を凝らすような仕草をした後に、そうアリアに問い掛ける俺。
もっとも、彼女の手にしている宝剣が、俺の知って居る七星の宝刀と同じ代物だと言う保障は有りませんが。
まして、片方の面には確かに、北斗七星が描かれているのですが、もう片方の面には、六つの星、それも、不自然な形で三つと三つに分かれた星が描かれていたのですから。
俺の言葉に、軽く首肯くアリア。そして、
「この坑道は不自然です。鎮護国家、破邪顕正の宝刀たる、我が家の七星の宝刀の刀身がここまで曇ると言う事は、かなりの危険が迫っている印。
此度の任務は、かなりの危険が待ち受けている危険性が有ります」
深刻な雰囲気で、そう告げながら、再び、宝刀を黒拵えの鞘へと戻すアリア。
ただ、それでも……。
彼女、さらっと、七星の宝刀と言いましたよ。確かに俺も、そう問い掛けはしましたが、それでも確信が有って問い掛けた訳では無かったのですが。しかし、……と言う事は、あの剣は、仙人の創りし宝貝と言う事。
それならば……。
「その宝刀が、七星の宝刀ならば、北斗七星の反対側に描かれている六つの星型は、人の生を司る南斗六星なのでしょうか。人の死を司る北斗七星に対応する、南斗六星」
妙に気になったので、一応、確認の為にそう聞いてみる俺。但し、西洋風剣と魔法の世界に、南斗星君と、北斗星君とは、かなり場違いな話だとは思うのですが。
まして、南斗六星にしては、配置がやや不自然な気もしますし……。
しかし、アリアは首を横に二度振る。そして、
「この六つの星は、本来、三つと三つ。別れ別れになった二人が、
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