第4章 聖痕
第40話 龍の娘
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アとの二人で熟すように指令が来ていたらしいです。
前回のカジノ騒動の時も、ジル・ド・レイが影からサポートを行ってくれていましたから、矢張り、タバサの任務には、気付かないトコロにバックアップ要員と言うのが居るのかも知れません。
「ただ、ジジちゃん自身が家に有った食糧を持って出ているようなので、もしも、坑道内で迷子に成っていたとしても、食糧や水に関しては、即座に危険な状態に成ると言う訳ではないみたいです」
坑道の奥を見つめながら、アリアがそう状況説明を締め括った。
つまり、あの坑道の入り口で、アリアが俺とタバサの到着を待っていた時に老女の話を聞いて居たのは、居なくなった十歳の孫娘のジジちゃんを探す為に坑道内に侵入しようとしたドミニクお婆ちゃんの話を聞いていた途中だったと言う事ですか。
まして、俺達三人は、その坑道内にこれから侵入するのですから、そのついでに、迷子の少女を捜したとしても問題が有る訳では有りませんし。
其処まで考えてから、自らの口元に手をやり、少し思考を纏めてみる俺。
最初のパーツは、食糧を持って坑道内に侵入する少女。
そして次のパーツは、何者かは判らないのですが、坑道内を棲み家とする臆病な生命体。
何故か、簡単にストーリーが組み上げられるような気がするのですが。
まして、この岩塩坑道内に棲みついた未確認生命体は、採掘作業員たちからは嫌われ、恐れられていますが、人食いの類とは違う雰囲気ですから……。
「ジジちゃんは、この坑道内に、一体、どんなペットを飼っているのでしょうか」
少し、飛躍し過ぎかも知れないのですが、一応、そう口にして置く俺。
ただ、この坑道内は、少し不気味な雰囲気が有るのは確かなのです。まして、坑道に付き物のノッカーなどの実体化の能力に乏しい地霊の気配を感じる事も有りません。
奥に進めば進むほど、妙な不安感が首をもたげ、後ろから追い掛けて来る。暗がりから、突如、何モノかが襲いかかって来る。そう言う妄想に囚われるような。そんな坑道です。
そう、あの違法カジノに向かう通路に似た雰囲気が有る坑道なんですよ。
三方向に枝分かれした分岐点を前に立ち止まる俺達三人。そのどれもが、冥府の入り口に見え、どれを選んだとしても、死出の道行きと成りそうな雰囲気を感じさずにはいられない、そんな分岐点。
俺は、少し振り返って、タバサを見つめた。
最初に渡された地図を再び確認の為に思い浮かべて見るまでもなく、この坑道の内部は複雑で、はっきり言うと当てもなくうろついていては、ジジちゃんを見つけられるのが何時の事に成るか判らない。そう言う、正に地下迷宮と言うような雰囲気の坑道です。なので、ここから先は、それなりの術を行使して探した方が早いとは思う
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