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インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
敵だから……
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ない」

 それが本音だった。そう、関係ない。

「邪魔だ。消えろ」

 《メテオ》と《迅雷》で凰を襲い、流れ弾がデュノアの『ラファール・リヴァイヴ・カスタムU』にも被弾して装甲が吹き飛ぶ。

「これで四人だな」
「……何で……何でこんなことができるんだよ!」

 一夏が俺に叫ぶ。―――が、

「当たり前だろ。こいつらは敵なんだから」

 さも当然のように俺は答えた。





 ■■■





 管制室。そこでは楯無、簪、虚、本音の生徒四人に千冬と真耶が祐人の無双ぶりを見ていた。

「………もう四人。ですが、あの大型ビーム砲はおそらく違法物かと」
「ああ。だが、あれを出したことにより現実を教えているのだろう」

 真耶と千冬は冷静に分析しているが、内心では焦っていた。

『もう仮面が剥がれて来ているのね』
「……どういうことだ?」

 一瞬驚くも、千冬は冷静に対処する。

『おそらく今まで溜めていた怨念。それが漏れているのよ』
「怨念……それは何のかしら?」
『人間への、かしら。今まで耐えていたけど、それも限界のようね』

 シヴァはそう言うと真耶が驚く。

『先に言っておくけど、聞かない方がいいわよ。それほど彼は幼い時から辛いことを味わっているんだから。むしろ、今までグレずにそのままでいたほうが驚きよ』
「……ゆーゆー」
「祐人は……そんなに……」

 シヴァはモニターに映っている惨状を一瞥してから言った。

『でも、まだ()()()()なのね』
「この程度……だと……」
『ええ、この程度よ。むしろ私からすればあなたの弟がどうしてその程度のことで怒るのか疑問が生じるわ』
「貴様……」

 シヴァと千冬の間で火花が散り、真耶が近くでオロオロする。

『それに、まだあまり被害が出てないじゃない』
「あの……織斑君と篠ノ之さん以外の全員のIS、ダメージレベルがDなんですけど……」
『だから、その程度じゃない』

 ダメージレベルD。それはISを動かすには危険がある状態だ。だがシヴァはその程度だと言った。

「何が言いたい」
『少しは自分で考えたら? それに―――そんなに知りたいなら直接祐人に聞けばいいじゃない。まぁ、信頼なんてされていなかったようだけど』
「……………」
『まぁ、生徒のコントロールはちゃんとしておきなさいよ。各国がうるさいなら、黙らせておきなさい。戦争を起こしたくないのならね』

 そう言ってシヴァは消えた。

「………」

 彼女たちはただその虚空を見つめるだけだった。だからだろう、その残り二人が大変なことになっていることに気付かないのは。
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