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スーパーヒーロー戦記
第52話 復讐の3号
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居場所が分かればそれでよかった。だが、それを聞こうと尋ねたおばさんが途端に暗い顔になる。

「あの子も可愛そうだよねぇ。何せいきなり天涯孤独の身になっちまったんだからねぇ」
「どう言う事ですか?」
「殺人事件だよ。何でも風見邸に強盗が押し入って両親と妹さんを刺し殺したって話だよ。凶器は未だ見つかってなくて警察も殆ど迷宮入りって話だし。それ以来志郎ちゃん人が変わっちゃったからねぇ。昔は明るくて親しみ易かったのに、今じゃまるで別人だよ」

 そう言いながら叔母さんは遠い目で風見邸を見上げた。そんな辛い事があったとは。恐らくその犯人は例の怪人の仕業に違いない。

「何処に行けばその人に会えますか?」
「さぁねぇ……あ、でもこの時間だったら此処から先の丘の上に行ってるんじゃないのかい? 志郎ちゃん毎日あそこに花を持っていくから」
「有難う御座います」

 お礼を述べた後、フェイトは走り出した。その姿を叔母さんは見送る。

「しかし志郎ちゃんにあんな年の離れた知り合い居たかしら?」

 頬に手をあてながら考える叔母さん。そんな時であった。

「ちょっと宜しいでしょうか? この辺りで風見志郎を探している人物を見かけませんでしたか?」
「え? えぇ、その子ならこの先の丘に向いましたけど」
「そうですか」

 尋ねてきたのは一人の老人であった。全身黒で統一されたスーツを着ている。そしてその周囲には同じように黒いスーツを着た若者達が数人付き添って歩いていった。

「何だろうねぇあの人達。気味が悪いわ」

 その男達を見た際の叔母さんの正直な感想でもあった。彼等が一体何者なのかは分からない。
 嫌、分からない方が幸せであった。もしその正体を知れば、命はないのだから――




     ***




 丘の上にたどり着いたフェイトが見た物。それは小さな墓であった。簡素な作りの墓であり、其処には人の手で彫られた名前が刻まれてあった。

「風見達治……綾……雪子……此処に眠る。もしかして、これが風見志郎さんの家族?」

 どうやら情報は当たっていたようだ。しかし生憎既に来た後だったのだろう墓には花が添えられていた。

「一足違いだったんだ……ん?」

 立ち去ろうとした時、その隣にも墓があるのに気づく。其処の墓にはまだ花が添えられていない。誰の墓であろう。フェイトは近づき彫られていた名前を見る。そして愕然とした。

「そ……そんな!」

 フェイトは未だに其処に彫られている名前が信じられずに居た。無理もない。本来其処に彫られてはいけない人物達の名前が彫られていたのだ。

【本郷猛、一文字隼人。この地に眠る】と――

「嘘……あの本郷さんと一文字さんが……でも、一体何で?」

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