第52話 復讐の3号
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である。
「どうだったぁ? 久しぶりのお姉さんの胸に顔を埋めた気分はぁ?」
「こ、殺す気ですか! 危うく窒息死する所でしたよ!」
「アハハハッ、良いじゃん。男にとっちゃ正に憧れの死に方って奴だよ」
「ずぇぇったいそんな死に方お断りします!」
他愛ない会話をしているクロノとミサト。フェイトからして見れば仲の良い姉弟の様にも見えた。口ではあんな事を言っているようだがクロノの顔を見ると満更嫌そうな顔をしてない。
「彼女はミサト・ハーヴェイ1等空尉。クロノ君の先輩でもあり元上司。まぁ、クロノ君からしてみたら本当にお姉さんみたいな人かもね」
「そうなんですか?」
隣に居たエイミィが淡々と語るのを聞きフェイトが尋ねる。
「クロノ君って今ではあんな性格だけど、昔色々とあって人との間に壁を作っちゃってて結構嫌われてたんだよ。でもね、そんなクロノ君をミサトさんが変えてくれたんだよねぇ……あんな風に」
そう言って見ている前では今度はミサトがクロノにヘッドロックを仕掛けている。
「ほれほれ、早く抜け出してみなさい! それともまたお姉さんの胸の谷間に埋もれたいのかなぁ? この思春期真っ盛りな坊や」
「だ、誰がぁぁぁ!」
ジタバタ暴れまわるクロノ。そんなクロノを見て思わずフェイトは噴出してしまった。微笑ましい光景と言えるだろう。そんな光景が映っていた。
その後、フェイトはある少年の方に視線を向ける。
「ユーノ君」
「あ、フェイト」
それはユーノであった。心なしか彼は何時もより元気がない。
「どうしたの?」
「うん、なのはの事が少し気になって……」
それはフェイトも気にしていた事だった。今から5ヶ月前。世界各国を襲撃したミケーネ帝国の戦闘獣軍団。
その襲撃になのはは巻き込まれてしまったのだ。瀕死の重傷を負いながらも幸い命に別状はなく、今はリハビリ生活を送っているとの報せも来ている。だが、やはり心配にはなっていた。
かつて自分は幾度となくなのはに助けられてきた。勿論本人からしてみればそれ以上に助けられたと言うだろうが実際には助けられっぱなしでもある。だからなのはが困ってる時こそ力になってあげたい。
そんな思いがフェイトにはあったのだ。
「だったら、海鳴市に行って見る?」
そう言い出して来たのはリンディであった。途端にフェイトの顔が明るくなる。
「良いんですか?」
「長くは滞在出来ないけど少しの間だけで良いんだったら可能よ」
「はい、是非お願いします! リンディさん……あっ」
突如、フェイトがハッとなる。見るとリンディはクスリと笑みを浮かべていた。
「まだ慣れてないみたいね。私達はもう家族みたいなものなんだし気兼ねなく母さんって呼んで良いの
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