第52話 復讐の3号
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実際に嘱託魔導師の資格を得るのは簡単な作業ではなかった。毎日山積みの問題集と格闘したり、クロノとの模擬戦でメタメタにされたりとそれこそ大変な日々でもあった。
それでもなる事が出来た。それはフェイトの中にとても大きな達成感として残ったのである。
「これでまた一歩執務官の道に近づいたな」
「うん、でもまだまだ道は遠いんだね」
「当然だ。そう簡単に追いつかれたら僕の面目がないからな」
鼻を伸ばして自慢げに言うクロノ。確かにクロノの年齢で執務官になれるのは相等なものだ。
恐らく彼自身相等努力を積み重ねてきたに違いない。だが、絶対になれないと言う訳ではない。努力次第ではフェイトでもなれる可能性があるのだ。
「おやおや、自分が先輩だからって良い気になってて宜しいのかなぁクロノ執務官さん」
背後からそう言いながらクロノの耳を引っ張る存在が居た。声からして女性の声だ。その行為にクロノの顔が引きつる。
「いだだっ、痛いですから離して下さい!」
「ホホホッ、離して欲しかったら力尽くで離して御覧なさい」
高笑いを浮かべる女性。フェイトはその女性を見た。黒いショートヘアーの日本系の女性であった。年齢的には20代初期に見える整ったボディラインをした女性であった。服装は普通の局員と同じ色の服装だからクロノよりは格下らしいがそれでもクロノとは親しく接している。
「んがっ、づっ……あ、相変わらず容赦ないなぁミサトさん」
「ハハハッ、相変わらず弄り甲斐のある坊やだよあんたはさぁ」
「ぼ、僕はもう坊やじゃありません!」
「ムキになってる限りあんたは永遠に坊やさ。それとも…」
女性がニヤリと微笑む。かと思うと突然クロノの耳から手を離す。安心していたクロノ。
だが、今度はそのクロノの顔を両手で掴み自分の胸元に押し込んだのだ。
ミサトと呼ばれた女性の年齢に見合った大きさの胸の中にクロノの顔が埋め込まれていく。
「坊やはこっちの方がお好みだったかなぁん?」
「むがもが……」
完全にミサトのペースであった。側から見てる者は皆「また何時もの光景か」とばかりに一目見た後そのまま見なくなる。
どうやらこの光景は御馴染みとなっているのだろう。
「あ、あの……」
「ん? あぁ、あんたがクロノが義妹として引き取ったって言う子だねぇ」
「はい、フェイト・テスタロッサと言います……えと、あの……」
「アハハ、可愛いねぇあんた。こいつの妹にするには勿体無い位だよ。いっその事あたしの妹にならない? 色々と教えてあげるよ。勿論、男の落とし方もさ」
そう言ってクロノを掴んでいた手をパッと離す。それを感じ取ったクロノが一目散にミサトから離れる。かなり息が荒くなっている。
髪の毛も乱れており顔なんか真っ赤
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