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スーパーヒーロー戦記
第50話 強力タッグ、超獣をぶっ飛ばせ
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を背中に乗っているなのはに向ける。其処になのはの姿は無かった。

「しまった!」

 余りの衝撃で気づかなかったのだろう。下を見るとなのはが地上に向けて落下しているのが見える。

「くっ!」

 咄嗟に人間形態に戻り落下するなのはを受け止める。だが、其処で始めて彼女の状態に気づいた。
 なのはの顔面は蒼白しており、胸に手を当てて苦しんでいる。

「高町、どうした?」
【反動が来たんです。今のマスターに収束砲に耐えられる魔力も身体も備わっておりません】
「なんだと!」

 無理が生じた結果であった。確かに威力は増した。が、その分自身に帰ってくるダメージも増した事になる。最悪1発撃っただけでも命の危機に障ることは明白でもあった。
 その時、再び雄叫びが木霊する。見ればバキシムが再び立ち上がったのだ。
 まだ死んでいなかった。しぶとい相手である。

「だ……だったら…もう、一度……」
「何を言ってるんだ。その体で撃てる筈がないだろう! 次こそ本当に死ぬぞ」
「で、でも…」

 尚もなのはは食い下がる。倒したのだ。しかし肝心の収束砲を撃った際の反動が大きすぎる。幼い少女でそれを受け止めるには余りにも酷な世界である。




     ***




 戦いは余りにも旗色の悪い状態であった。このままではあのロボットも空を飛びまわっている人間達も倒されてしまう。

「彼等を見殺しに出来ない! こうなったら…」

 青年は中指に嵌めている指輪を見る。そして、空手の型のような構えを取り、拳を突き出す。青年の体を閃光が包み込み、やがて青年を巨大な巨人へと姿を変える。

【これ以上お前達の好きにはさせないぞ!】

 変身した巨人はバキシムに向い構えた。




     ***




「あれは、ウルトラマン!」

 甲児は突如現れた巨人を見て驚愕した。半年前に現れた光の巨人とはまた違う姿の巨人であった。全身が真っ赤に燃えているのだ。

「甲児君、君は光の巨人を知っているのか?」
「あぁ、半年前に俺達はそのウルトラマン達と一緒に戦ったことがあるんだ」
「そうだったのか」

 大介は納得する。どうやらフリード星人である彼も光の巨人の事は知っているようだ。目の前で光の巨人とバキシムが戦いを始める。まるで空手の様な動きでバキシムに拳と蹴りを叩き込んでいく。先ほどの収束砲で傷ついていたのか思うように反撃が出来ない。

【見ているかヤプール! お前達の好きにはさせない。これがその証拠だ!】

 光の巨人は飛翔し真っ赤に燃える足をバキシムに叩き込んだ。その蹴りを受けたバキシムの胴体には巨大な風穴が開き、やがてその体は木っ端微塵に弾け飛んだ。

「やったぜぇ!」

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