第48話 守護騎士
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苦悶の表情が浮かび上がる。魔力が低いだけでなく、彼女はまだ病み上がりの身である。無理が出来ない体なのだ。
「フハハハ、何時まで保つかな?」
不適にビルゲニアが笑いながら、更にパワーを増幅させる。先ほど以上の力が襲い掛かってきた。
張っていた結界に徐々に亀裂が入りだした。これ以上は限界である。
「お願い…保って! ぐっ…」
突如、なのはの膝が折れた。ガクリと膝が崩れ落ち杖を持っていた手が地面につく。これ以上は彼女自身も限界であった。
「なのはちゃん。まだ、あの時の傷が…」
それは、今からおよそ半年前のミケーネ戦闘獣軍団の襲撃の際であった。なのはははやてを庇った際に重症を負ってしまったのだ。その傷がまだ残っていたのだ。このままでは結界が破れる前に彼女の体がもたない。
(なのはちゃんが死んでまう…友達が死んでまう…そんなの嫌や! 誰か…誰か助けて! なのはちゃんを…光太郎兄ちゃんを…助けて!!)
はやては強く祈った。大切な人を助けたい。その強い願いを。
突如であった。ビルゲニアとなのは達の間に割って入るかの様に一冊の本が姿を現す。
「あ、あの本!」
「な、何だこの本は!?」
驚き思わず攻撃の手を止めるビルゲニア。そんなビルゲニアの前で本を止めていた鎖が千切れ飛び、パラパラとページが捲られていく。
「主の命により闇の書、システムを起動致します」
機械音のような音声が本から放たれる。すると、その本の中から四つの光が現れる。それぞれ赤、緑、青、桜色の四つであった。その四つの光がビルゲニアに当たりそれを跳ね除ける。
「おわっ! 何だ今のは?」
よろけながら見るビルゲニアの前で四つの光はなのはとはやての前に降り立つ。すると眩い閃光を放つ。閃光が止むと、其処には四人の人間が跪いていた。それぞれ違った外見をしていた。
筋骨隆々な銀髪の男。小柄なオレンジ色の髪の少女。ショートヘアーで金髪の女性。剣を持った桜色でポニーテールの女性。
その四人のメンバーがはやての前で跪き頭を下げていた。
「主の命により、我等守護騎士【ヴォルケンリッター】参上致しました。主よ、何なりとご命令を」
「え? あ、主? 私が主なん?」
いきなり言われたので動揺しまくるはやて。そりゃそうだ。突然見知らぬ人間が出てきていきなり主などと呼ばれたらそりゃ誰でも動揺する筈だ。
「えぇい、何だ貴様等は! 邪魔するなら貴様等も容赦せんぞ!」
「うっせぇぞ三下! てめぇは黙ってろ!」
睨みを利かせながら小柄な少女がビルゲニアに向って言う。まさかビルゲニアに向い三下とは良く言った物だ。そんな中、はやては固唾を呑み四人を見る。
「ほ、ホンマに…私の頼みを聞いてくれるん?」
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