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Fate/stay night -the last fencer-
序章
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ては同意しよう。探知、感知、異状の知覚に集中していたからかもしれないが、結界の基点だけではなく何度か私にも目を向けていた)
本当に、油断ならない。
古馴染みだからこそあんな大それた確認の仕方をしてしまったけれど、彼がマスターでないことにほんの少しだけ安堵している。
魔術師同士、そこそこに付き合いのある相手だからか、無意識のうちに敵対したくない存在だと本能的に感じ取っているのか。
どちらにしても、彼は此度の聖杯戦争には関与していない。
令呪もなければその兆しも一切無かったし、彼がマスターだったなら屋上であんなことはさせないだろう。
黒守黎慈は無関係。それがわかっただけでも、私にとっては僥倖だ。
(しかし愉快な時間だった。よもや君のあんな一面が見られるとはね)
「うるっさいわね。だから私はあいつが苦手なのよ!」
(そうか? 君との相性は良さそうだったが)
「…………どういう意味よ」
(君の性質や能力についてこれるという意味でだよ。君にとってそういった手合いは、中々貴重なものだろう?)
なるほど、そういうことか。
何においても私とタメを張れる相手なんて、そうそう居るものじゃない。
昔からの付き合いだし、黎慈の性格もあって考えたこともなかったが、競争相手としては面白い相手かもしれない。
互いに魔術師として全力で、真正面からぶつかってみたい。
ともすれば、彼がマスターでないことを少しだけ惜しくも思う。
(それに君は相手に優位を取られると、ペースを握られるところがある。少なくとも彼にとって、君は相性の良い相手だろう)
人が真面目に考えていれば、一体何を言っているのかコイツは。
服従の令呪が足りなかっただろうか?
だがこれ以上、大切な令呪を浪費するわけには行かない。
「ふん、言ってなさい。まだ結界の基点を全て見つけたわけじゃないんだから、さっさと続きに戻るわよ!」
(くく。了解、マスター)
笑いを漏らしながら追従するアーチャー。
そんな彼の態度に私はまた小言を呟きながら、まだ行っていない場所へと基点探しに向かった。
「はぁ……さっむいなぁ。夜中になると冷え込むもんだ」
新都でのバイトを終え、帰路に着く。
遅刻の罰としていつも上がる時間には帰してもらえず、閉店時間まで仕事をさせられていた。
トボトボと歩く、その道中。
閑静街方面とは違い、新都はこの時間帯になっても人が減ることは無い。
むしろ夜はこれからだとばかりに、青春只中な若者も仕事帰りの中年も、夜の街へと繰り出している。
道行く人の声、車のエンジン音、店の呼び込み、広告ラジオの大音響。
人々の営みがたて
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