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Fate/stay night -the last fencer-
序章
プロローグ
PrologueV-U
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 見事な攪打頂肘(カクダチョウチュウ)ですっ……

 こんな雑談をしながら、仲睦まじく?結界の基点探しを始めてはや3時間。
 こうして愛のあるスキンシップ(鉄拳制裁)が取られたのも一度や二度ではない。

 そうだなぁ、10回を越えたあたりからもう数えてないや。

「ちょっと、真面目に探す気あるの?」
「いやいや真面目に探してるでしょうよ。もうほとんどは見つけられたんじゃないか?」

 基点の数は正確にはわからないため、結界の規模から推測するしかないが、最低限の数は探し当てたと思う。

 これまでに見つけた基点全てを閉じれば、少なくとも結界の効力はかなり減少する。
 せっかく仕掛けた結界の効力が下がったまま発動するとは思えないし、たとえ発動されても対処さえ早く済ませれば事は大きくならないはずだ。
 
 あと数箇所残っていたとしても、それほど問題はないだろう。

「でもねー。邪魔されたことに怒った相手が、ポロッと発動しちゃう可能性だってあるじゃない」
「そりゃないとは言い切れないが……このレベルの結界を張れる魔術師が、んな短絡的な行動に走るとは思えないけどなぁ」

 そんな魔術師は三流どころか素人である。
 限りなく低い可能性まで見過ごせないのは解るが、それは魔術師として効率的ではない。
 
 ゆえに、これは遠坂凛の完璧主義による弊害だ。
 それ以外にも自分の領域で勝手をされたこと、そこで無関係な他者を巻き込むかもしれないことを彼女が嫌っているのも解る。

 魔術師としては余分なモノを持っているとも言えるかもしれない。

 何とか折り合いをつけて納得してもらいたいが、残念ながら俺のタイムリミットが迫っていた。

「凛。そろそろ制限時間だ」
「え、あ、もうそんな時間になっちゃった?」

 実はアルバイトのシフトに間に合う時間から、既に1時間ほど過ぎている。
 
 ちゃんと同僚にメールで遅刻する旨は伝えてある。
 中途半端なままで終わらせられないのは、俺も同じだったから。

「そう。じゃあ、今日はここまでね」
「この後もおまえは残るだろ? 今日中に納得いくとこまでいかなかったら、また付き合うよ。明日は昼間のシフトだから、夜からなら空いてる」
「わかった。それじゃあね」

 さっと切り上げて、凛と別れる。
 凛一人に押し付けることに後ろ髪引かれる思いだが、ここは彼女に任せよう。










「……行ったわね。はぁ〜。助かったって言えば助かってるんだけど」
(面白い男だったな。魔術師としては優れているのかそうでないのか、よくわからなかったが)
「黎慈は優秀よ。傍にはそうは思わせないけど。実際、あなたに気付いてる節があったしね」
(それについ
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