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Fate/stay night -the last fencer-
序章
プロローグ
PrologueV-U
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、元から知り合いだったようだな」
「なるほど。もしかしたら、幼馴染みたいなものなのかもな」
「遠坂はそうでもなさそうだったが。そしてその頃からの印象からして、あの二人が付き合うのはありえん。
 もしもその可能性があったのなら、とうの昔に付き合っていただろう」
「そういえば黎慈は女の子のこととかあまり話したりはしなかったな。慎二は新しい彼女作るたびに逐一言いに来てたけど」
「奴らしいことだ。しかし黒守の交友関係の広さは驚嘆に値するな。衛宮や慎二とも、その頃から付き合いがあったのだろう?」
「そうだな。出会い方は普通じゃなかったけど」

 確かいつものように慎二が持ってきた厄介事に巻き込まれたときだったか。
 何かと目立ってしまっていた俺と慎二は他校の上級生に絡まれていて、それを黎慈がわざわざ止めにきたのが馴れ初めだ。

 当時は若気の至りというもので、俺たちも上級生たちも互いに話し合いなんかで止まるような利口さはなかった。
 黎慈は最初は言葉で止めに来た割に喧嘩が始まるやいなや、持っていた竹刀をぶん回して鬼のような強さで相手を叩き伏せていた。

 正直あの時は味方で良かったと安堵したものである。
 後になって竹刀を使ったことを咎めたが、当人は『武器使ったほうが手っ取り早いし、これなら打撲程度で済む』と言って飄々としていた。

 それから何故か慎二と黎慈は意気投合して、次の時からは三人で集まるようになっていた。

 色々と問題もあった……ありすぎたが、あの頃は楽しかった。

「どうした衛宮、遠い目をして」
「いやあ……あの頃は三人とも、先のこと考えず無茶してたなーっと」
「今も無茶をしているがな、慎二は。条件付きで衛宮もか」
「はは、そうかもな」

 ──だというのに。
 俺たちはいつから、この少し離れた距離を維持するような関係になってしまったのか。

 恐らく。あの日に慎二が変わってしまったときに、何かが崩れてしまったのだろう。
 俺と慎二の間で一悶着以上の出来事があったし、黎慈と慎二にも何かしらの揉め事があった。
 今でも俺は二人を友人だと思っているが、俺たち三人を結びつけた時、そこに友人関係が残っているのかは定かではない。

「まあ、今となってはどうしようもないか」



 在りし日の思い出に浸りながら、一成との備品修理を続けることにした。


────── Interlude Out──────










「なぁ、りんりん」
「気持ちの悪い呼び方はやめて。鳥肌が立つでしょ」
「でもこの呼び方可愛くないか? パンダみたいじゃん」
「アンタ、ふざけたこと言ってると張っ倒すわよ」
「中国拳法を極めし者、その名もパンダししょ……うぼぁっ!?」

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