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Fate/stay night -the last fencer-
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PrologueV-U
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────── Interlude Shirou ──────
「次は何処だ、一成」
「リストによると、放送室の機材の一つが体調不良とのことだ」
「む。精密機械とかだと、安易には触れないぞ」
「そんな重要機器は置いてはいまい。他の物とは勝手が違うかも知れんが、一応診てやってくれ」
「了解。直らなくても怒るなよ」
今日は授業終わりからずっと、一成と一緒に学校の備品修理だ。
昨日はアルバイトを優先してしまったので、今日は生徒会からの頼まれごとを優先しただけではあるが。
生徒会に届いた整備不良な備品をリストアップした紙を眺めながら、俺と一成は校舎内の教室を順々に巡っていた。
廊下を歩きながら、何とはなしに窓から外を眺めた。
「ん? あれは……」
ふと、校庭の隅に見えた人影に気を取られた。
体操着を着て部活動を行っている生徒が溢れているグラウンドで、遠目に見えるその二人は通常の学生服で明らかに目立っている。
「どうした、衛宮」
「いや、あれって黎慈と遠坂じゃないのかって」
「ふむ。確かに、黒守と遠坂のようだな」
一体何をしているのだろうか。
何かを探しているようにも見えるが、さすがにここからでは何をしているのかはわからない。
昼休みに黎慈が遠坂を探していたという話を聞いたこともあってか、なぜか無性に二人のことが気になっていた。
「やれやれ。昼には気のないことを言っておきながら、やはり黒守も遠坂狙いであったか」
「何バカなこと言ってるんだよ。二人が一緒に居るってだけで、そうと決まったわけじゃないだろ」
「衛宮こそ何を言っている。普段あれほど男っ気のない遠坂が、男連れで歩いているのだぞ。もはやそうであるとしか思えんだろう」
「いや、それは……」
ゆっくりと校庭を周っている二人。
談笑も交えながら歩くその姿は、客観的に見ても楽しそうだ。
だからといって二人がそういう関係だと決め付けるのはどうか。
黎慈もそんなつもりはないとキッパリ言っていたのだし。
「ふっ、冗談だ。あの二人の仲が良いのは、今に始まったことではない」
「え?」
それはどういう意味だろう?
俺からしても先ほどの言い分には反論しづらかったのに、自分から冗談だったと言うということは、二人のことについて一成は何か知っているのだろうか。
というか、何故俺は二人のことをこんなに気にしているのか。
「二人は中学からの同級生だ。黒守は一年時の半ばに転入してきたのだがな」
「そっか、一成は遠坂や黎慈と同じ中学だったっけ」
「うむ。奴も当時から社交性のある人間であったが、何故か遠坂とはよく話していたのを覚えている。というより
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