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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第十二話
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ピニャに報告する。対するピニャも真剣な表情で腕を組みながら考えていた。
「……茶色や草の色のような服を着たあやつらは妾達の常識から離れているかもしれんな」
「そうですね」
二人はそう頷いた。ちなみに茶色ではなく国防色である。陸戦隊のは草色だが……。
そしてイタリカの街は夜を迎えた。
「隊長、司令部から電文です」
「……これは本当か?」
「どうしましたか?」
伊丹が電文を見て驚いているのを樹が聞いてきた。
「いやな……航空部隊を送ってくれるらしいんだが、第一戦車連隊と歩兵第二八連隊も出撃しているらしい」
「加茂大佐の戦車連隊と一木大佐ですか?」
特地派遣の戦車連隊は四個連隊であり、中戦車中隊が三個、軽戦車中隊一個、砲兵中隊一個で臨時編成されていた。
歩兵第二八連隊は史実ではガダルカナル島の戦いでの尖兵やミッドウェー島攻略作戦にも参加していたが、特地に送られていた。両連隊はたまたま野戦訓練としてイタリカとアルヌスの半分程度まで来ていたのだ。
「……戦車連隊が盗賊を蹂躙するな」
伊丹はそう呟いた。
――0300――
本来ならイタリカの市民は寝静まっている時間帯だ。しかしイタリカの市民達は夜襲の警戒をしていた。
その時、東門で見張りをしていた一人の兵士が限界が来たのかうとうとし出した。
そのせいで一瞬の回避が遅れた。東門に目掛けて数十本の矢が放たれたのだ。
居眠りをしていた兵士は首に矢を受けて即死した。
「敵襲ゥッ!!」
東門を指揮していた正騎士ノーマ・コ・イグルが叫んだ。
「伝令走れェッ!!」
「は、はいッ!!」
ノーマの叫びに伝令の兵士が慌ててピニャ達がいる場所へ向かう。
「何ッ!? 敵は南門ではなくて東門から来ているだとッ!!」
伝令からの報告にピニャは驚きを隠せない。
「(何という事だ。こうも妾の戦略が崩れるとは……)」
ピニャは自分の思い通りに行かない事に腹が立つが今はそんな事をしている場合ではない。
「急いで東門へ向かうッ!! ハミルトンは南門の茶と草の服達に知らせるのだッ!!」
「は、はいッ!!」
「ほ、報告しますッ!!」
ピニャの命令を受けてハミルトンが走ろうとした時、武装した市民がピニャの元へやってきた。
「どうしたッ!?」
「ちゃ、茶と草の服の人は既に東門に向かっていますッ!!」
その報告はピニャにとって嬉しい報告であった。彼等はイタリカの市民を助けてくれる。ピニャはそう思った。
「姫様……」
「……妾達も向かうぞハミルトンッ!!」
「はいッ!!」
ピニャの叫びにハミルトンは
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